2021年5月号
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脱炭素社会

身近なチャンスを見逃さない 脱炭素ビジネスのキーワード

月刊事業構想編集部

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「2050年カーボンニュートラル」宣言により一大潮流となった“脱炭素”。エネルギー領域が中心に考えられがちだが、“脱炭素ビジネス”はさまざまな視点から構想できる。ここでは脱炭素ビジネスのための前提知識と本特集の読みどころを紹介する。

「脱炭素」に向かう世界の流れ

まず、脱炭素に向かう歴史的背景を確認しよう。地球温暖化に対し国際的な枠組みができたのは1980年代。第二次世界大戦以降、各国で急激な経済成長が進んだことによる公害・環境問題は1960年代から顕在化しており、70年代から80年代にかけて国際機関の発足や、オゾン層保護の条約締結などが進んできた。1988年には「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が発足、1990年に「人類の経済活動によって気候変動が生じる恐れが否定できない」とした第一次評価報告書が発表された。

1995年からは気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催され、各国が温室効果ガスの排出削減へ取り組むことになった。2010年のCOP16で気候変動の影響を回避するために産業革命後の気温上昇を2℃未満に収めるという“2℃目標”が合意され、さらに2015年のCOP21で『パリ協定』が採択されたことで、先進国を中心に“脱炭素”は重要な政策課題となった。

しかし、新興国での経済活動の活発化などもあり、世界全体のCO2排出量は増え続けている。2018年にIPCCが発表した『1.5℃特別報告書』では、気候変動による悪影響を避けるためには、パリ協定で努力目標とされていた“1.5℃目標”を積極的に目指すべき状況となっている。

各国で大胆な財政措置・
投資促進が始まる

新型コロナウイルス感染症の拡大もあり世界的に経済が冷え込むなか、各国は気候変動対策とコロナからの復興のため、“グリーン(環境)&デジタル”を旗印に経済政策を推進している。

EUでは2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指しながら雇用を創出することを掲げた「欧州グリーン・ディール」を進める。欧州委員会は、今後10年間に官民合わせて少なくとも1兆ユーロ(約120兆円)の投資の動員を目指すと表明している。

トランプ政権時にパリ協定を離脱したアメリカも、バイデン政権に交代後パリ協定に復帰。今後4年間で2兆ドル(約200兆円)あまりを投じてクリーンエネルギーへの転換などを中心とした気候変動対策を講じるとしている。

また、2017年時点で世界第1位のCO2排出国である中国も、2030年までにCO2排出量を削減に転じさせ、2060年にカーボンニュートラル達成することを宣言している。

日本でも、昨年10月の菅総理の2050年カーボンニュートラル宣言を受け、脱炭素に向けた政策が動き出している。首相官邸ではグリーン社会の実現に向けて産業構造の転換を図り、成長につなげるため、①革新的なイノベーションの推進、②エネルギー政策の推進、③グリーン成長戦略の実行計画、④グリーン成長に関する情報公開、⑤脱炭素ライフスタイルへの転換、⑥新たな地域の創造、の6項目を掲げる。

さらに内閣官房では、2050年の脱炭素社会実現に向け、地域における脱炭素とかかわる「暮らし」と「社会」の領域に重点を置いて、関係府省と自治体等の連携のあり方を検討する〈国・地方脱炭素実現会議〉を昨年末から開催、今夏を目途にロードマップの作成を進めている。予算面では、表1に示すように2兆円規模の「グリーンイノベーション基金」を元に技術開発から実証・社会実装までを支援。これをテコに民間企業による設備投資や金融投資を呼び込みたい考えだ。

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