JAPANブランド育成支援 EC活用で新たな販路開拓

中小企業庁では、国内・海外への新たな販売チャネルの開拓と、新商品・サービスの開発を後押しする「JAPANブランド育成支援等事業」により、全国の中小企業への支援を実施している。

JAPANブランドの
新たな販路開拓へ

現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国各地で外出・飲食控えが発生している。それに伴う打撃を受けているのは、地域産品を扱う物販店・土産物店など、来店・対面販売を行う中小企業だ。中小企業庁では今年度の補正予算において、新たな地場産品やサービスの開発、ならびに販路開拓を行う、事業者の支援を「JAPANブランド育成支援等事業」で実施する。

「元々のこちらの事業は平成16年より続いており、地域の特産品やサービスのブランド化を確立し、販路開拓に繋げるプロジェクトとして続けています。その中で今年度については、新しい販路開拓手法としてクラウドファンディングや電子商取引(EC)を活用した取り組みを重点的に支援するところが特徴です」と、中小企業庁 創業・新規事業促進課長の林揚哲氏は語る。

林 揚哲 中小企業庁 創業・新事業促進課長

なぜ、クラウドファンディングやECを重点支援するのか。

「今後の消費者のニーズを考える中で、face to faceの商売だけでなく、新たな販路としてECが不可欠であると考えているためです。クラウドファンディングについては、クラウドファンディングサービスの『Makuake』などの例で成功している、販路開拓と試作品開発を同時並行で行うモデルを想定しています。これは、よりよい商品・サービスを消費者に提案し、購買までつなげることができると考えているためです」と林氏。

世界のEC小売総額

世界のEC市場は急速に拡大している一方、中小企業のECの活用は進んでいない実態がある。

出典:eMarketer (2018年1月)

 

取り組みを強力に支援

海外への販売については、日本と欧州の中小企業を比較した際、海外展開に取り組む企業の割合は日本が圧倒的に低いというデータがあり、その背景には、海外展開にあたって「販売先の確保」・「現地の市場動向・ニーズの把握」・「海外展開を主導する人材の確保」という3つの課題があるという。

特に、地場産品を扱う地域の事業者は高齢化が顕著になっており、そうした新しいニーズへの対応が難しい現状もある。

中小企業庁では、こうした中小企業の課題を解決すべく、調査研究や新商品・サービスの開発やブランディング、さらにその発信活動と販路開拓についても、申請事業費の3分の2を補助する。令和2年度当初予算については3月25日までの公募に対して、721件の応募があり、192件の補助事業者が採択された。今年度は令和2年度補正予算での追加公募も実施する予定で、全国の事業者の採択を行う予定だ。

どのような事業者に応募してほしいか。林氏は、「まさに今回重点的に支援する、クラウドファンディングやECを活用した取り組みに挑戦したい方々に手をあげていただければと思います。ぜひ、本事業を活用して多様な知見を取り入れ、今後の販路拡大ならびに地域の魅力発信に取り組んでいただきたいと思います」と語った。

「JAPANブランド育成支援等事業」(特別枠)
事業の詳細はこちらから。
(事業ホームページ https://japanbrand.online/