2020年7月号
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コロナ後の推測

事業構想大で考える 新型コロナ感染症危機後の事業と社会

月刊事業構想 編集部

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新型コロナウイルス感染症の流行下、未曽有の変化が社会に生じている。事業構想大学院大学が育成する、ゼロから事業を構想できる人材がまさに求められる状況だ。この機会に、事業構想大の教員と院生、修了生がオンラインで一堂に会し、アフターコロナを議論した。

田中里沙 事業構想大学院大学 学長

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学は、2020年4月から5月にかけて、オンライン特別セミナー「ポストコロナを見据えた事業構想の考え方」を4回にわたり開催した。事業構想大学院大学の院生・修了生に向けたもので、新型コロナウイルス感染症の流行下の厳しい局面から、新しい事業を構想するためのヒントを探った。

危機を乗り越える構想

感染が拡大する最中の4月25日に開催された初回のテーマは「危機の乗り越え方」。同大の松本三和夫教授、下平拓哉教授、岡部聰特任教授と進行役の岸波宗洋教授の4名による鼎談形式で実施した。

科学技術の社会学、エネルギー・環境問題を専門とする松本教授は、「コロナウイルス感染の拡大により、サプライチェーンの国内回帰と、問題解決で国際的に協力するためのSDGsの枠組みのようなグローバル化の進行という、相反する動きが生じています。各国がその社会構造に合わせてこの2つの両立を検討しており、日本がどうするかについてもいくつかの道が考えられる。皆さんも事業を構想する際はぜひこれも視野に入れて考えてほしい」と話した。

戦略、危機管理、リーダーシップが専門で、元海上自衛隊・海将補の下平教授は、「パンデミックだけでなく、地震や気候変動に伴い激甚化する災害など、脅威が多様化しています。国家レベルの方針や戦略を作っていくべき。様々な災害現場で働いてきたが、日本人は災害が終息すれば忘れてしまい、次に生かせないという特徴があるように思う。問題意識を持ち、様々なシナリオを組んで訓練をする必要があります」と分析した。

元トヨタ自動車専務取締役 新興国担当でグローバルビジネスを専門とする岡部特任教授は、新型コロナウイルス感染症が企業経営に与えた影響として、人・モノの移動の制限を挙げる。「企業の長期的な意味での安定性を考えると、地域に根差したビジネス、サプライチェーンがなければリスクに対応できないことが可視化されました」と指摘した。とはいえコストを最適化するために海外企業と手を組む必要もあるため、グローバルとローカルでリスクのバランスを取れるよう、情報システム活用の重要性が増す、と話した。

露になった本質をもとに考える

オンラインセミナー2回目と4回目のテーマは、コロナ後の新たなビジネスモデル。2回目は松江英夫客員教授、本間充客員教授、田浦俊春教授が、4回目は渡邉信彦教授、杉本哲哉特任教授、松永エリック匡史客員教授が参加し、進行役は田中里沙学長が務めた。

松江客員教授の担当分野は、企業の組織変革、M&Aだ。「今後、注目すべきは『非三密』のニーズ。他人との距離を保ち、衛生を確保するという観点のビジネスには可能性があるのでは。キーワードとして、『空間(スペース)』『リモート』『非接触』『可視化』が挙げられます」と指摘した。

インターネット創成期からネットを利用した広告戦略を立案してきた経験から、デジタルマーケティングを専門としている本間客員教授。「人の動きを止めたらどうなるか。日本でもリモートワークが急速に一般化し、またプッシュ型の産業構造に対応したサプライチェーン・マネジメントも変化を始めています。生活全般から物流、マネジメントに至るまで、新しいものを作り出すことを考えるのがポジティブな姿勢であり、事業構想大の学生にとってはチャンスです」と語った。

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