SHIFT・丹下社長 コロナ後の事業チャンスと経営者の使命

急成長を遂げている東証一部上場のIT企業、SHIFT。同社の丹下大社長は、これから会社の存在意義、求心力が問われる時代となり、また、新たなチャンスも生まれると語る。丹下社長が考えるコロナ後の経営と新ビジネスについて、MATCHAの青木優社長が話を聞いた。

国内最大級の「危険手当」を支給

青木 コロナ禍は、オフィスやワークスタイルをどのように変えると見ていますか。

青木 優(MATCHA 代表取締役社長)

丹下 SHIFTはソフトウェアの品質保証・テストを手掛けていますが、取引先の規定・方針、システム上の制約により客先に常駐しなければならないエンジニアもいるので、全社での在宅勤務は実現できていません。この4月、在宅勤務が難しいすべての従業員を対象に日額3000~4000円という国内最大級の「危険手当」を支給することを決めました。

丹下 大(SHIFT 代表取締役社長)

取引先とも交渉しながら在宅勤務へのシフトを進め、4月下旬時点では7割を超える従業員がリモートに移行しています。今後、コロナが終息しても「満員電車には乗りたくない」という人は一定数いるでしょう。SHIFTではコロナ後の勤務形態を週3日が在宅、週2日が出社などに変更することも想定しています。

それでシミュレーションすると、例えばオフィス面積は今ほど必要ではなくなる。それで浮いたコストを在宅手当にして、従業員が自宅での仕事環境を整えることに使ってもらうことも考えています。

逆境の今こそ、
リーダーシップを発揮する機会

青木 ポストコロナの時代、経営においては何が重要になると思いますか。

丹下 大事なことは2つあって、1つは従業員をどれだけ後押しできるか。自分自身をマネジメントできる人は一部にすぎず、在宅勤務であっても、会社が良い意味でコントロールしてあげることが必要です。

人のパフォーマンスを決める要因は主に3つあって、「スキル」「性格」「環境」。スキルは本人の努力に左右され、性格は変えられず、会社側が主にコントロールできるのは環境です。そのため、環境を整えることに集中しています。

ポイントは、従業員思いでゆるやかな管理。従業員からは、かなり細かい生産性のレポートを提出してもらいますし、セキュリティも徹底しています。今後、プライバシーとのバランスをとりながら、日々の検温を自動化できないかと考えていて、顔認証・非接触で体温が測れる技術などにも関心があります。

経営における2つ目の変化として、会社の存在意義、求心力が問われます。なぜ、その会社で働くのか。理念やミッション、行動指針をきちんと示せるトップでないと、ポストコロナの企業経営は難しいでしょう。

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