2020年7月号
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コロナ後の推測

答えのない世界に「ゆるさ」を 「正しさ」が見えない時代の突破口

若新 雄純(NEWYOUTH 代表取締役/慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任准教授)

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「ゆるい移住」「鯖江市役所JK課」「NEET株式会社」など、数々のプロジェクトによって、硬直したシステムを「ゆるめる」ことに挑戦し、社会の可能性を広げてきた若新雄純氏。コロナ禍が発生し、人々が積み重ねてきた「正しさ」が揺さぶられる今、見直される「ゆるさ」の価値とは。

人々が積み重ねてきた
「正しさ」が通用しない時代

――若新さんは、「ゆるい移住」や「ゆるい就職」、女子高生によるまちづくり「鯖江市役所JK課」、ニートだけの会社「NEET株式会社」など、数々のプロジェクトで硬直したシステムを「ゆるめる」ことに挑戦してきました。

今、コロナ禍で世の中が殺伐とし、SNS等ではそれぞれの人たちが自分たちの「正義」を主張しているところもあって、「ゆるさ」とは正反対の方向に社会が向かっているような感じもします。

若新 そうですね。不測の事態が起こり、先が見えずに不安になると、人々はわかりやすい「答え」を求めたくなるものです。政府への批判も強まっていますが、現政権を擁護するつもりはないけど、できていることもあれば、できていないこともある。物事には是々非々、グラデーションがあるのに、「正しさ」を求めて白黒つけようとするから殺伐とするのかもしれません。

若新 雄純(NEWYOUTH 代表取締役/慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任准教授)

そもそも、新型コロナだから「答え」がないわけではなく、本来、世界は極めてあいまいで「ゆるい」ものです。根本的には「答え」がない中で、人間が社会を便利に運用していくために「かたい仕組み」がつくられ、決められたルールや手順に基づいて交渉したり、調整したりといった社会活動を維持してきました。

ただし、公式や解き方があって答えが出てくるような「かたい仕組み」は人間が設定したものにすぎず、万能ではありません。コロナ禍において、専門家でも「正しいやり方」への見解が異なっている中で、「こんな時だからこそ正しい判断をすべき」「正しい情報を出すべき」という声もありますが、限界はありますし、「間違ってはいけない」となると、誰も何も発言できなくなってしまいます。

僕は、ウイルス自体が脅威となっているだけでなく、人々が積み重ねてきた「正しいやり方」が通用しないことに、たくさんの人が恐れを抱いているのだと思います。多くの人が、「かたい仕組み」の上に成立していた「正しさ」や「答え」に縛られている。

だからと言って、僕は「かたさ」を全て否定しているわけではなく、例えば、ウイルスに対抗するための医療技術や治療薬の開発などは「かたい」手続きで成り立つものです。「かたい仕組み」は社会のインフラとして大切であり、「かたさ」があるから「ゆるさ」が成立する。「かたさ」に偏りすぎるのではなく、その人なりの新しい「視点」を柔軟に見出せるように「ゆるさ」を組み込むことで、新しい価値や可能性が生まれることもあると思います。

エリートこそ
「答え」のない世界に行くべき

――「ゆるい移住」などご自身の社会実験から、どのような気づきや発見がありましたか。

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