2020年7月号
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コロナ後の推測

山崎亮氏 オンライン化するコミュニティ、守るべきプライバシー空間

山崎 亮(studio-L 代表、コミュニティデザイナー)

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未知の感染症がグローバルに拡大し、人と人の「物理的距離」をとらざるを得ない時代、インターネットがもたらす「仮想的なつながり」が、プライベートの充実をもたらしつつある。コミュニティデザインの観点から、そこに生まれる新事業の可能性と課題を探る。

山崎 亮(studio-L 代表、コミュニティデザイナー)

コミュニティって何だ?

ある社会学者が「コミュニティ」について調べたところ、100種類以上の定義が見つかったという。少し考えてみるだけでも複数の「コミュニティ」が思い浮かぶ。まずは近くに住んでいる人たちのコミュニティ。遠くに住んでいてもインターネットでつながっている人たちのコミュニティ。それは趣味でつながることもあれば、学校や仕事でつながることもある。あるいは、東京における島根県人コミュニティのように出身地が共通するコミュニティ。ニューヨークにおける中華系コミュニティなど人種が共通するコミュニティ。一方、親戚などの血縁関係にある人たちをコミュニティと呼ぶ場合もある。

こうしたコミュニティは、互いに重なり合うことが多い。仕事でつながっていて出身地も同じコミュニティや、近くに住んでいて趣味でもつながるコミュニティなど。時と場所によってコミュニティの意味がさまざまに理解されている。だからこそ、いま語っているコミュニティはどんなタイプを意味しているのかを注意深く聞き分けなければ、意味を取り違えてしまうことになる。「コミュニティは窮屈だ」「いや、コミュニティは楽しいよ」という会話は、それぞれが違うコミュニティを想定している可能性が高い。

コミュニティとプライバシー

新型コロナウイルスの流行によって、コミュニティはまた少し意味を変えつつある。コミュニティの前提である「物理的なつながり」が「避けるべき対象」になったからだ。これまでも、つながりには物理的なものと仮想的なものがあった。コロナ流行後は後者の存在感が増している。

そうすると何が変わるのか。プライバシーの領域にコミュニティが入り込んでくることになる。物理的につながることができないからオンラインでつながろうとする。オンラインで会議をしたり、飲み会をしたりする。そのとき、急に部屋のインテリアが気になるといった具合だ。自宅で過ごすときの服装が気になる。化粧の程度が気になる。「自宅なのにスーツ着てる」「ひとりなのにメイクばっちり」は、オンラインで仕事や趣味のコミュニティに参加する自分の振る舞いとして適切なのかがわからなくなる。自宅にも関わらず居心地の悪さを感じる。

しかし、それも束の間のことだ。しばらくすると、どんどん居心地が良くなる。部屋を形付けたり、おしゃれな内装にしたり、服やメイクの基準が見つかれば、各種コミュニティに参加するのが楽しくなる。お気に入りのコーヒーや紅茶、そのためのポットやカップなどを近くに置いて、快適な椅子やソファに座りながら人とのつながりを楽しむことができる。

studio-Lのメンバーは普段からZOOMで会議をしているが、それが突然誰かの誕生パーティーになることもある(筆者撮影)

プライベートの充実と
コミュニティへの参加

こうしたつながりの楽しみ方は、コロナ流行前にも可能だったかもしれない。しかし、「相手も自分と同様にオンラインでつながることができる確率」が格段に高まったのはコロナ流行後のことだろう。かつてのように「チャットツールは使ったことがないので」「ウェブカメラがなくて」と言われることが減ってきた。この傾向は今後も続くことだろう。

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