D・アトキンソン氏が語る コロナ後の観光業、復活への処方箋

コロナ禍により大打撃を受けた観光業。しかし、『新・観光立国論』『新・生産性立国論』の著者、デービッド・アトキンソン氏は、「2030年のインバウンド目標6000万人を変える必要はない」と語る。アトキンソン氏が語る観光業のこれから、今後の成長に向けたインバウンド戦略とは――。

中長期的には大きな影響はない

――コロナ禍が日本の観光業に与える影響について、どのように見ていますか。

アトキンソン 今、多くの人が「コロナ禍で世の中は大きく変わる」と言っていますが、個人的には、あまり影響はないと思っています。例えば東日本大震災によって、日本人の価値観は大きく変わると盛んに喧伝されましたが、その当時に「こうしなければならない」と言われていたことが、現在、どこまで継続しているかは疑問です。

デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社 代表取締役社長)

そもそも、観光は何千年も前から続いてきた歴史があります。その間、人類は何度も感染症に見舞われましたが、観光は短期的に落ち込むことはあっても、中長期的には、ほぼ右肩上がりで発展してきました。2000年代前半にはSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生して香港の観光に打撃を与えましたが、その後、多くの人がそれを忘れたかのように観光は元に戻りました。

今回のコロナ禍についても、観光立国を目指すという日本の方向性に大きな変化があるとは考えづらい。政府が掲げる2020年の訪日外国人旅行者数4000万人の目標達成は難しくても、2030年の6000万人という目標を変える必要はないと考えています。

政府が掲げる2030年の目標

出典:観光庁「明日の日本を支える観光ビジョン」

 

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