2020年3月号
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SDGsを経営に生かす

ヘルスケアの課題先進地・仙台から始まる共創

赤坂 亮(フィリップス・ジャパン Co-Creation Centerセンター長)

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総合家電から、ヘルスケア機器・ソリューションを手掛ける企業へ大きく舵を切ったフィリップス。2019年5月には、仙台にオープンイノベーションの拠点となるCo-Creation Centerを開設した。地方の中核都市にオープンイノベーションの場を設けた狙いを、センター長の赤坂亮氏に伺った。

赤坂 亮 フィリップス・ジャパン Co-Creation Centerセンター長

ヘルスケア機器をはじめ、電子機器類のメーカーとして知られているフィリップス。これまで国内では、これら製品の販売を行ってきた。しかし、医療ニーズや課題はその土地によって異なる。今後はそれらを踏まえたソリューションを作り込んでいこうという流れが同社内でも起きており、日本のニーズに即した開発を行うためのイノベーション拠点として、仙台にCo-Creation Centerが設立された。

ヘルスケアの課題先進地・仙台

仙台を選んだ理由のひとつは、この地がヘルスケアを始めとした社会課題の先進地であることだ。少子高齢化が進む日本のなかでも、東北地方の高齢化率は全国平均を上回り、10年先を進んでいると言われている。高齢化が進めば当然、さまざまな病気も増える。また、東日本大震災以降はストレス性疾患も課題となっている。

もうひとつの理由は、東北大学の存在だ。東北大学は医学部や歯学部、工学部などヘルスケアと関連の深い学部を抱えており、地域の3世代にわたるゲノムデータも集積されている。

「これらのデータは、疾患の早期発見などにも役立つはずです。東北大学とは医学部にとどまらない包括的な協定を結び、大学内にはサテライト拠点も置いています」。

100万人の人口規模を持つ仙台市も、東北大学やフィリップスと連携して、地域にヘルスケア産業を創出しようというビジョンを描いている。

「世界が将来的に直面する課題を、仙台市はすでに抱えています。つまり、東北の課題を解決するということは、世界で発生するさまざまな問題を解決できる可能性があるのです」。

迅速な共創が運営のテーマ

センター長を務める赤坂氏は、センターの運営にあたり、「quick(素早く)」を常に心がけている。現在、センターではAIエンジニアと医療者などで構成されたチームがプロジェクトを進めているが、スタートアップの名著である「リーン・スタートアップ」で挙げられた、早い段階でプロトタイプをつくり、検証と改善を繰り返して精度を上げていく手法を念頭に置いているという。

また同センターには東北大学をはじめとするアカデミアや自治体、大手や中小・ベンチャーなど多くの企業も参画している。効果的に異分野が混じり合い、「Co-Creation(共創)」を生み出せるよう、デザイン思考の実践も徹底している。

高齢化によって疾患構造が変化し、医療分野もこれまでの〈診断・治療〉から〈健康な生活・予防・治療後のホームケア〉が重要になってくる。AIやデータサイエンスの発展により人々のゲノムや行動データの解析が可能となった今、これらを活用したヘルスケア分野での新たなサービスの開発に、大きな期待が寄せられている。

同社では、人々の行動習慣に働きかける、行動変容に着目したプロジェクトが進められている。

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