建設現場の生産性向上へ i-Construction大賞で好事例を波及

革新的な情報通信技術(ICT)の活用で建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」事業。国の直轄現場での浸透を経て、ベンチャー企業や地方中小企業の取組へも、対象を拡充し2019年(令和元年)度は計25 団体(国土交通大臣賞 4 団体、優秀賞 21 団体)を決定した。

建築現場の生産性向上を促進

「i-Construction 大賞」とは、建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」に係る優れた取組を表彰し、ベストプラクティスとして広く紹介し、横展開することにより、更なる取組を推進することを目的として、2017(平成29)年度に創設された。令和元年度においては、「工事・業務部門」、「地方公共団体等の取組部門」、「i-Construction推進コンソーシアム会員の取組部門」の3部門で対象事業が選定された。

大臣官房技術調査課・事業評価係長の松葉氏は「i-Constructionは、2016年から始まった取組で、人口減少社会を迎えている日本において、働き手の減少を上回る生産性の向上と担い手確保に向けた、建設現場の生産性革命を目標としています」と語る。情報化・先端性などの狙いが、象徴的な表現である「i-」へ多義的に込められている。

国土交通省i-Constructionのロゴ。日本・誇りをイメージした「赤」を基調に、「革新的テクノロジーが、日本の建設現場を劇的に変えていく。その原動力が、日本を次のステージへと推し進めていくというデザインメッセージが、拡がりとスケール感のあるオーバル型の "iC" で表現されている

先端的な新技術を全国に波及

25団体の中で特筆すべきは、国土交通大臣賞を受けた4団体の取組だ。豊蔵組(石川県輪島市)による「能越道 長沢道路その7工事(2017~18年度)」は、能越自動車道・輪島道路11.5kmのうち、輪島市三井町長沢地先において、延長約420mの道路工事を施工した事業である。岩が露出する法面整形において、ツインヘッダーを装着したMCバックホウを使用した。ICT建機に装着するツインヘッダーの形状を独自に設定する全国初の取組により、掘削位置の把握(制御)が可能となり、法面整形工の施工性・出来形精度について、大幅な施工性・品質の向上が図られた。

今後は、ICT建機と既存のアタッチメントの組み合わせにより、新たな施工方法が開発される可能性があり、更なる生産性向上が期待される。

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