DeNA球団初代社長 スポーツ経営の新モデル、自ら前例となる

横浜DeNAベイスターズの初代社長として、球団の再生を成し遂げた池田純氏。池田氏は今、スポーツビジネスの中でも特に「地域」に注目する。そして、スポーツの成長産業化に向けた一番の課題は「人材」と語る。

池田 純(横浜DeNAベイスターズ 初代代表取締役社長、さいたまスポーツコミッション 会長)

日本のスポーツ界に不足する
「ビジネス」の視点

――スポーツ庁は、スポーツの成長産業化に向けた取り組みを進めており、2025年までにスポーツ市場規模を15兆円にするという目標を掲げています。スポーツの成長産業化に向けた課題をどのように見ていますか。

池田 日本のスポーツ界には「ビジネス」の視点が不足しています。国内最大のプロスポーツである野球ですら、私が横浜DeNAベイスターズの社長に就任した2011年当時は、チームが勝った負けたの話ばかりで、「経営」という概念は乏しいものでした。

私が社長在任中の5年間で、ベイスターズの売上高は52億円から110億円超に倍増。就任当時は約25億円の赤字を抱えていた球団は、10億円超の黒字になりました。そうした経営の成果は、スポーツビジネスにおける1つのベンチマーク(基準、参考)になったと思います。

横浜DeNAベイスターズ、2011年と2016年の主な指標の比較

出典:池田純著『常識の超え方』

 

私はプロ野球チームの経営で実績を残しましたが、国がスポーツ市場規模で15兆円を目指すと言っても、ほとんどのスポーツ競技にはベンチマークとなる先進事例がありません。何をどのように改革すればどの程度の数字が見込めて、最終的に15兆円が実現されるのか、成長産業化への具体像が見えないのが課題だと思います。

――海外のスポーツビジネスは1つの参考になるのでは?

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