ドイツから学ぶ 地域を活性化するスポーツクラブのつくり方

ドイツには、クラブ設立100周年を祝う地域スポーツクラブが多く存在する。その長い歴史の中でドイツのスポーツクラブは何を育んできたのか。そして今、どんな形態に辿り着いているのか。先を行くドイツから、今日本が学ぶべき点は何だろうか。

坂本 健二(ドイツ流サッカー・ディフェンス・コーディネーター 元・FC Penzberg育成強化部長)

地域スポーツクラブは
3つ目の居場所

「クラブライフ」とは家庭と学校や職場以外で、自分の好きな趣味を通じて知り合った人達との「人付き合いを楽しむ」ことである。利害関係(図1と図2を参照)で結ばれていない新たな人間関係を築くことで人生に幅と奥行きが生まれる。

たくさんのクラブ会員達と接する際の温もりで、日々の生活が満ち足りることを「クラブライフを楽しむ」と言うのではないだろうか(図3~図5を参照)。例えば、家庭と学校や職場などで何か心を曇らせることがあったとしても、3つ目の自分の居場所があれば、心にゆとりを持つことができる。

クラブ会員になると、クラブを通じて自分と同じ地域に住む知り合いが増える。知っている人が多いということは、逆もまた然りで、自分が地域から見られているということでもある。ある意味、お互いがお互いを見張る関係が地域で自然と形作られ、地域の秩序の構築と維持につながっていく。

地域スポーツクラブを作るということは、単にスポーツに興じる場を提供するだけに留まらず、こういったクラブ会員を介して引き起こる地域を巻き込んだ、しかし中々外からは見えにくい変化(効果)を見逃してはならない。そして近隣に顔見知りが増えるということは、緊急を要する災害時の助け合いにおいても、クラブ会員の輪はその土台ともなり得るだろう。

ドイツにある地域スポーツクラブのサッカー部門にはトップチームを筆頭にリザーブチーム、オーバー32などの成人チームが存在し、下部組織ではAユース(U19)~Gユース(U7、未就学児)の年齢カテゴリーに分けられ、合わせておよそ14チームくらいが活動している。

成人チームに目を向けると、様々な職業のクラブ会員が存在する(図5を再び参照)。私自身がクラブで知り合った人達からどんなことで助けてもらったかを列挙してみた(表を参照)。これを見ると、如何にクラブを通じた人間関係がその地域に住む日々の暮らしに役立つか?また、そこから一人のクラブ会員が地域を身近に感じられるか?を理解してもらえるのではないかと思う。

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