2019年10月号
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SDGsの実践 あるべき指標と評価

企業のSDGsへのインセンティブとしてのESGとサステナブル投資

馬奈木 俊介(九州大学大学院工学研究院 都市システム工学講座 教授/九州大学都市研究センター長・主幹教授)、松永 千晶(九州大学大学院工学研究院 都市システム工学講座 助教)

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SDGsとESGの浸透の現状

「だれ一人取り残さない」最新の持続可能な開発目標として、SDGsは国内外で様々なプロモート活動が始められているが、実際のところ、SDGsやESGはどれくらい社会に浸透しているのであろうか。図1にGoogle Trends1)を用いた全世界と日本でのSDGsとESGのウェブ検索キーワードとしての人気度の推移を示す。これは、指定した期間と地域について、グラフ上の最高値を基準として検索インタレストを相対的に0から100の指数で表したものである。図を見ると、SDGsは2015年の発表以降、当初は日本が世界に対して後れを取りつつも両者は上昇を続け、現在ではほぼ同じ高い水準にある。一方、ESGについては、世界ではSDGsより高い水準にあるのに対し、日本ではSDGsとの関係が逆転しているだけでなく、未だに20ポイント程度と他に比べてかなり低い値である。この理由としては、ESGが企業や投資家などにしか関係がないことと、SDGsやサステナブル投資と関連付けてのESG導入のための指標設定や制度などの環境整備が欧米などと比べて遅れていることが考えられる。

図1 SDGsとESGのウェブ検索インタレストの推移(2014年7月~2019年7月)

出所)ウェブサイト1) を元に筆者作成

SDGsの「本業化」のためのESGとサステナブル投資、それらの課題

「イノベーションと創造性を伴う」という条件付きではあるが、企業にとってSDGsは大きなビジネスチャンスであるとされているのは、前回述べた通りである。しかし、企業としていかにSDGsに取り組むべきかについては、疑問が残るところであろう。単なるフィランソロピー(慈善事業)としてでは、SDGsへの取組みが企業価値の向上に繋がらず、むしろ財務的にはマイナスに働くという恐れもあるため、実施に消極的な企業もあるだろう。つまり、いかにSDGsを「本業化」するかが重要であり、そのための鍵となるのがESGとサステナブル投資だと言える。

先述のように、日本における社会的認知の視点では浸透しているとは言い難いESGだが、企業のESGへの取組みを判断材料としたサステナブル投資(ESG投資)については状況が異なる。図2は、The Global Sustainable Investment Alliance (GSIA)2), 3) が2年ごとに公表している主要な国と地域のサステナブル投資額の変遷である。額自体はヨーロッパやアメリカが多くを占めるが、日本は他の国・地域よりも著しい成長を遂げており、シェアも2014年にはわずか0.04%であったのが、2018年には7.10%までとなっている。この間日本では世界最大級規模の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に責任投資原則(PRI)に署名し、2017年に国内株式において約1兆円規模での運用を開始するなど大きな動きがあった4)

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