2019年8月号
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持続可能な世界をつくる

国内初、傘のシェアリング 「雨の日の経済圏」を盛り上げる

丸川 照司(Nature Innovation Group 代表取締役)

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日本では、年間5000万本のビニール傘が廃棄されている。こうした無駄の解消につながる、傘のシェアリングサービスが始まっている。運営会社の代表、丸川照司氏は、「雨の日の経済圏」を視野に、街づくりや地域活性にも貢献することを目指す。

丸川 照司(Nature Innovation Group 代表取締役)

街中でビニール傘が無造作に捨てられている光景は、日常的に目にするものだろう。日本で消費されるビニール傘は年間8000万本、そのうち5000万本が廃棄されている。しかも、ビニール傘はプラスチックでできており、処分も大変で不燃物扱いになる。

こうした現状を変えようとしているのが、Nature Innovation Groupだ。同社は2018年に設立され、同年12月に日本初となる傘のシェアリングサービス『アイカサ』を東京・渋谷でスタートした。開始から約半年、登録人数は2万人を突破し、サービス提供地域は東京だけでなく福岡にも広がり、合計約220ヵ所のスポットで傘の貸出・返却を行っている。

2019年5月、福岡市でも『アイカサ』がスタート。記者発表会には、髙島宗一郎市長も登壇した

Nature Innovation Groupの丸川照司代表は、「私たちが欲しいのは、傘そのものではなく『濡れない体験』。傘を持ち歩かなくて済むような生活は、多くの人にとって価値があります」と語る。

1日70円で傘を貸し出し

家には5~6本の傘があるにもかかわらず、出先で突然の雨に降られてビニール傘を買いに行ったり、旅先で傘を買ったものの、邪魔になるので持ち帰らずに廃棄してしまったり……。

世の中でたくさんの傘が無駄になっていることは、誰もが感じていることだが、日本には今まで傘のシェアリングサービスが存在していなかった。

「事業アイデアとしては浮かぶと思いますが、単価が安いことや天候に左右されるので不確実性があること、数多くの場所に置いてもらう必要があるので、協力してくれるプレーヤーを開拓するのが大変、といったことがネックになるのだと思います。大企業が踏み込むには、ニッチで小さなマーケットかもしれませんが、スタートアップとしては、アナログで行われてきたことをアップデートできる余地があり、魅力的な市場だと考えました」

『アイカサ』の傘シェアスポットは、小売店や飲食店、ホテル、駅、観光案内所、商業施設など、様々な場所に広がっている。ユーザーはそこへ行き、LINEアプリで傘のQRコードを読み取ると、ロックを解除できる。返却も、最寄りにある傘スポットでQRコードを読み込むだけだ。

傘の柄に3桁のダイヤル鍵が付いており、LINEアプリで傘のQRコードを読み取ると、ロックを解除できる

決済はクレジットカード情報の登録のほか、スマホ決済『LINE Pay』にも対応している。

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