有田焼が世界へはばたき、山形のデザイン意識向上した「原動力」

古くから地方を豊かにしてきた伝統工芸や地場産業に、新しい風をいかに吹き込み、未来志向の産業にリノベーションできるか。有田焼の佐賀県、山形鋳物や家具木工の山形県の取り組みからの地域デザインセンターが果たすべき役割を考える。

各都道府県にあり、地元企業の技術相談やデザインサポートに応じる機関がある。それらは産業技術センターやデザイン支援センターなどの名称を持ち、技術者やコーディネーターが地域の産業をバックアップしている。地域を支えるデザインセンターのこれからの役割を考えるため、地域の「人」「もの」「こと」をつなげ、外部との連携も行う2県の事例を紹介する。

次の100年に紡ぐ有田焼の新しい物語

有田焼は創業400年を機に、次の100年に向けて新しい物語「ARITA EPISODE2」を紡ぐことをテーマに据えた。デザイナーとして柳原照弘とショルテン&バーイングスを迎え、新たな価値を見出している

1616年に有田で日本初の磁器が焼かれてから400年。いまも有田焼としてその伝統は受け継がれている。2016年は、節目の年となり、佐賀県は「有田焼創業400年事業」を開始。単なる記念事業で終わらせずに、数年をかけて新しいものづくりのきっかけをつくることを目的としている。

その推進役として抜擢された浜野貴晴氏は、プロダクトデザイナーであり、商品開発のスペシャリストでもある。2017年3月までの期限つきで、佐賀窯業技術センターの特別研究員として招聘された。

「次の100年に向け、新しい物語『ARITA EPISODE2』を紡ぐことをテーマとしました。これまでの400年を『EPISODE1』と位置づけ、歴史と伝統に敬意を表しつつ、いったん区切りをつけ、時代に沿ったものづくりの革新を起こし、新たな歴史を築いていきます」

佐賀県窯業技術センター 特別研究員 浜野 貴晴 氏

このプロジェクトには、「イノベーション」「リブランディング」「クリエイターの育成」の3つの柱がある。

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