出口戦略が進む国産材活用 地域と世界を変える林業、木工業

国内の林業は後継者不足も影響し、近年衰退産業となりつつある。国産材に比べ、海外からの輸入木材の比率が高まるが、違法伐採など課題がある。地域特性に根ざした林業のあり方と出口作りを模索する3人が語った。

(左から)宮崎県 諸塚村企画課長 兼 地方創生担当課長 矢房 孝広 氏
ワイス・ワイス 代表取締役 佐藤 岳利 氏
NPO法人 しんりん理事長、くりこまくんえん 大場 隆博 氏

日本は、その国土の7割を森林が占め、森林資源に恵まれた国である。しかし現在の木材自給率は31%。家屋や家具などに使われる木材は40%を超えているが、家具や紙では多くを輸入に頼っているのが現状だ。

国産材の利用が落ち込んだ要因としては、戦後の高度経済成長期に木材の需要が高まる一方、戦時中の木材の過剰伐採による供給不足と、山奥の現場からの搬出コストが掛かるなど、価格も下がらなかった点があげられる。その後、熱帯雨林の原生林から、安価に大量に供給できる輸入木材(外材)の調達に商社が動き出す。林業は「きつい・汚い・危険」いわゆる3Kの業種であるとされ、日本では後継者不足にも陥り、産業として衰退しつつある。

しかし、「環境破壊につながる輸入木材に頼るのは問題である」と警鐘を鳴らし、2015年12月に立ち上がったのが「フェアウッド研究部会」である。フェアウッド・パートナーズが運営し、環境NGOやNPO、数10社を超える企業が集まり、毎月研究部会を開催する。

「フェアウッド」とは、伐採地の森林環境と地域社会に配慮をして調達した木材のことだ。日本では、木材や木材加工品を当然のように輸入しているが、木材を主要な輸出品としている地域の環境問題、社会問題は深刻化している。集中的な伐採により、森林が急激に減少。また森に暮らす生きものや地域住民への配慮をしない伐採も進む。これらの課題解決のため、先進国を中心に「フェアウッド」調達を進めている。しかし、日本はこの意識が低く、輸入木材のうち、約12%は違法伐採だと指摘されている。

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