東京メトロ-意識改革から始める水害対策で都市機能を支える

埼玉県秩父を源流とする荒川は幾度となく氾濫し、災害をもたらした歴史も持っている。2010年の試算では荒川が氾濫した場合、地下鉄等で最大17 路線97 駅が浸水するという。防災と減災のために東京メトロが行っている水害対策について訊いた。

茅場町駅の出入り口。高潮などの災害が発生した場合に水の浸入を防げるように、全体が強化ガラスで覆われている

地球規模の気候変動の影響か、台風や豪雨などの自然災害が頻発している。昨年9月には鬼怒川の堤防が決壊し、一体に大きな被害をもたらした。普段は穏やかな河川も、ひとたび氾濫すれば広範囲に影響を及ぼす。“想定外”にならないために、内閣府の中央防災会議では地域に合った対策が取れるように指針を示している。

そのひとつが2010年の「大規模水害対策に関する専門調査会」だ。荒川の氾濫は200年に1度と言われているが、もしも荒川右岸 21.0km 地点の東京都北区志茂地先で堤防が決壊した場合、地下鉄等は最大で 17 路線97 駅、延長約 147km が浸水する可能性がこの専門調査会にて指摘された。

「東京メトロではお客さまの命を守り、東京の都市機能を維持するために、従来から止水板や防水扉を設置するなどして被害を受けにくくしているとともに、災害時にいち早く復旧できるような体制を整備して教育や訓練を実施しています。これらに加え、専門調査会の調査結果と東京都が策定した洪水ハザードマップをもとに、さらなる風水害対策を立案しました」(東京地下鉄株式会社 鉄道本部 安全・技術部 防災担当 課長 木暮敏昭氏)

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