地方創生に必要不可欠 2020年に求められるWi-Fiの将来像

東日本大震災のとき、固定電話や携帯電話は通話が輻輳し、パンク状態であったが、インターネットは通信手段として機能していたという。総務省ではWi-Fiを中心とする公衆無線LAN環境整備支援に予算を設けて、地方自治体等の事業費の一部を補助、通信網強化を推進している。

無線LANの一種であるWi-Fiはいまや社会基盤となりつつある。Wi-Fiは世界共通標準の規格であり、高速広帯域をカバーできるなどの特徴を備えている。これまでは増加を続ける携帯電話等の通信量を分散させるオフロード対策として注目されたが、これからは防災、観光、教育、介護など幅広い分野での利活用が進む見込みだ。

なかでも情報流通の活性化による経済効果には期待が大きい。観光庁の「訪日外国人消費動向調査(平成26年1-3月期)」では、訪日外国人の53%が日本滞在中にあると便利な情報として「無料Wi-Fi」を挙げた。これは「交通手段」「飲食店」を抑えての第1位である。無料Wi-Fiで多様な情報を手にすれば、旅行者の行動範囲が広がる。旅先の写真等をSNSにアップすれば、新たな観光客の呼び水となる。総務省ではWi-Fi環境整備による経済効果は訪日外国人146万人増、旅行消費額2102億円増と推計している。

「観光・防災Wi-Fiステーション整備事業」の概要

観光拠点及び防災拠点における公衆無線LAN環境の整備を行う地方公共団体等に対し、その事業費の一部を補助。

  1. ・H26補正予算額:8.0億円
  2. ・H27当初予算額:2.5億円
  3. ・補助対象先:
    (1)観光拠点:観光案内所、文化財、自然公園、博物館等
    (2)防災拠点:緊急避難場所、避難所、役場本庁舎等
  4. ・補助率:地方公共団体:1/2、第三セクター:1/3

総務省資料より編集部作成

防災拠点のなかでも体育館や公園などはLAN環境が未整備のケースが多いので、こうした機会に整備を検討すべきだろう

防災プラス観光で整備を後押し

現在のWi-Fi整備状況を見ると、拠点によってずいぶんとバラつきがある。

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