コメの「おいしさ」を点数化、こだわりの「見える化」が生む商機

コメの味を数値化し、パッケージに目立つように表記。評価の高いコメをそろえて、高いデザイン性でプロデュース。「米風土」は、米職人自慢の逸品をブランド化し、新たな販路を実現する。

UPFARMが提供する新しいコメ「米風土」。パッケージのデザインにもこだわり、コメをブランド化

コメの品質を1等米、2等米と表す「等級」は知っていても、コメのおいしさを数値化した「食味値」については、知らない人がほとんどだろう。この「食味値」をパッケージに大きく記した、新しいブランドのコメが注目を集めている。

コメの品評会に事業のヒント

そのブランドとは、ベンチャー企業・UPFARMが提供する「米風土」。点数により異なった価格で販売され、パッケージには生産者名も記される。従来、消費者は、「コシヒカリ」や「ササニシキ」といった銘柄や産地でしか、購入するコメを判断する基準を持たなかった。そこに、別の選択肢を用意することで、新しい売り方を可能にしたのである。

「コメのおいしさに点数を付けて販売する」というアイデアは、どこから生まれたのか。実は、コメの味に点数を付け、表彰することは、生産者の世界では以前から行われていた。

米・食味鑑定士協会が主催する「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」には、全国各地から味自慢のコメが集まってくる。昨年開催された第16回大会には、約4300もの参加があった。そして、1次審査では「食味値」の測定が行われるのである。

他の業界では、たとえば食品におけるモンドセレクション、自動車におけるカー・オブ・ザ・イヤーのように、受賞した企業は、それを販売戦略にも活用する。しかし、コメの世界では、そうした“当たり前”のことが実現されていなかった。そこに目を付けたのが、UPFARMの高橋隆造社長だ。

高橋隆造 UPFARM 代表取締役

「生産者は、『天候が悪いから仕方がない』などと、儲からない要因を外部環境に求めてしまいます。でも、雨が降ったら悪影響を受けるのは、小売りや観光など他の産業でも一緒。生産者も販売の工夫など、もっと自分たちができることに目を向けるべきだと考えました」

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