農業ビジネスは「100兆円」 業種を超えた「連携」にチャンス

日本の農業の市場は、生産から流通分野まで含めると約100兆円に達する。しかし、その市場は細分化されており、大きな利益を生むのは簡単ではない。大きな事業機会が、既存の枠組みを超えたところに広がっている。

安倍政権が掲げる成長戦略の一つに「攻めの農林水産業」があり、現在、規制の緩和、輸出の拡大が進められている。こうした流れを受けて、農業ビジネスに関心を持つ企業は増えている。農業ビジネスのコンサルティングを手掛ける監査法人トーマツのパートナー、稲川敦之氏は現状をこう分析する。

稲川敦之 有限責任監査法人トーマツ農林水産業ビジネス推進副室長 パートナー

「企業が農業ビジネスに参入する目的は、主に2つあります。一つは事業として収益をあげること、もう一つはCSR活動の一環です。CSR活動として、地域貢献や余剰人員対策などの観点から見れば、成果を上げている企業もあります。しかし、事業として拡大することを目的とした場合、そこには高いハードルがあります」

農業ビジネスの領域は幅広く、生産だけでなく加工・販売などの流通分野、そして生産者を支援するIT、さらには「自然と触れ合う」という側面ではレジャーや教育などにも関連する。

「農業は生産分野で約10兆円、農林水産省の調査によれば、流通分野も含めると約100兆円の市場規模があり、大きなポテンシャルがあります。しかし、現状では、個別に事業化が進められていて、小さなマーケットがバラバラに形成され、そのポテンシャルが十分には発揮されていません。生産から販売までのバリューチェーンが、細切れになっています」

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