震災時のデータを基に開発 感震機能付分電盤で火災を防止

分電盤やブレーカーなどを主力製品とする河村電器産業。阪神淡路大震災から20年が経過するなど防災意識が高まる昨今、同社の感震機能付き分電盤とプレトラックコンセントが各方面から注目を集めている。

「電気」は人類の暮らしを劇的に変え、豊かさをもたらしてきた。しかし、その電気を安全に取り扱うという課題は終始つきまとう。実際に地震火災の主たる原因のひとつが電気関連であり、阪神淡路大震災でも多くの尊い命が犠牲になった。

大正8年(1919)の創業以来、「目に見えない電気をより安全に使う」というテーマに一貫して取り組んできたのが河村電器産業だ。分電盤やブレーカーを主力製品とし、電気の保安・制御の分野に関して圧倒的な技術力を誇るパイオニアメーカーである。

復電時の火災を防止

前頁にて紹介した横浜市のように、行政が感震ブレーカーの施工を助成する、或いは助成を検討する動きが活発化する中で、最大のパートナーとなり得るのが河村電器産業である。ホーム分電盤を他社に先駆けて開発・販売を行うなど、長い歴史の中で暮らしの安全を守る商品を多数展開してきた。それらの商品群に関して特筆するべきは、阪神淡路大震災など、過去の震災時に起こった火災に関するデータと向き合った上で、実際の避難行動に基づく設計が成されている点だ。

その好例が「感震機能付き分電盤」である。震度5強相当の揺れを感知し、3分間の警報後、主幹ブレーカーを遮断する機能を搭載。3分以内に安全を確認できた場合、リセット(警報停止)スイッチを押せば主幹ブレーカーの遮断を停止でき、日常のように再び電気を使用できる。分電盤やブレーカーと聞けば「即時に電気を遮断するだけの単純なもの」と思われがちだが、事実は相違する。

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