病院で「免震構造」が選ばれる理由【PR】

震災時には被災者が集中し、平時以上の医療ニーズが高まる病院では、災害からの早期の回復や事業継続を目指すBCPよりも高次なMCP(医業継続計画)が求められる。その観点から、近年、採用が進む免震構造について、具体的な理由や目的を探ってみた。
interviewee:Atsushi Kodama

 

「パークホスピタル」をコンセプトに、水と緑に囲まれた良好な敷地環境と調和するよう設計された昭和大学江東豊洲病院。入念な液状化対策も施され、免震構造の採用とともに災害対策に優れた病院になっている。建物が地表面の揺れの影響を受けにくくなることで、給排水設備の破損を防ぎ、衛生面も保てる。加えて、電子カルテや個人情報、劇薬等を扱うため、高いセキュリティが求められるが、この点においても、建物が盤石なら安心だ

地面の揺れから建物を切り離す

病院の建物における地震対策は、かなり以前から取り組まれてきたが、かつては躯体を強固にする耐震構造が採用されていた。しかし免震構造が登場し、阪神淡路大震災で優れた安全性が証明されて以来、官公庁舎やマンションはもとより、地域の災害拠点となる病院で、免震構造を採用する事例が増えてきている。

免震構造とは、建物と地盤を切り離し、その間に、免震ゴムの支承と、建物の揺れを抑えるダンパーから成る免震装置を組み込んだ構造を言う。免震ゴムの働きにより地震のエネルギーが建物に伝わりにくく、また加速度が小さくなり、揺れの周期が長くなるためガタガタとはげしい揺れではなく、ゆったりとした揺れになる。下層階と高層階の揺れの差が小さいといった特徴も持つ。そのため、建物が受けるダメージが少なく、医療スタッフや患者への被害を最小限に抑えられるとともに、医療業務に欠かせない様々な機器が転倒で破損するといった事態からも守ることができる。

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