NTTビジネスソリューションズ 大阪府のコンソと純国産LLMでAIエージェント実証へ
NTTビジネスソリューションズは2026年6月22日、純国産のプライベート大規模言語モデル(LLM)を用いたAIエージェントを自治体業務で利用する実証実験を実施すると発表した。大阪府が2025年12月に設立した「大阪府行政AIエージェントコンソーシアム」での取り組みの一環となる。NTTビジネスソリューションズが提供する「データ連携基盤サービス」に、AIとの連携を可能にする「MCP(Model Context Protocol)」機能を搭載し、NTTが開発したLLM「tsuzumi 2」の最新モデルを適用する。実証開始は8月中旬頃を予定している。
現場データを集約・管理し、アプリやサービスにリアルタイムで提供する「FIWARE Orion」を搭載したデータ連携基盤に、MCP機能と国産LLMを組み合わせたAIエージェントの実証は、同社調べで全国初の取り組みになるという。MCPは、AIが必要な文脈情報(コンテキスト)を取得するための標準的な手段を提供するものだ。
自治体がAIを業務に取り入れるには、庁内外に分散するデータをセキュアかつ統合的に連携できる基盤と、AIが必要なデータへ適切にアクセスできる仕組みが不可欠となる。同社はこうした課題に対し、これまで提供してきた「FIWARE Orion」搭載のデータ連携基盤にMCPを実装することで、AIエージェントとの連携を強化できると判断した。
実証では、データ連携基盤上に蓄積・連携された各種データを、MCPサーバーを介してAIエージェントと接続し、チャット形式でのデータ利活用を可能にする。「tsuzumi 2」を用いることで、機密性の高い情報を扱う自治体業務での生成AI活用を後押しする。さらに検索拡張生成(RAG)を通じて、自治体職員が日常業務で使用する非公開のマニュアルや法令、条例などの情報をAIにも参照させ、業務に即したアウトプットの生成を支援する。
期待される効果として、NTTビジネスソリューションズは次の4点を挙げている。第一に、災害対応など複数システムから情報を集めなければならない業務において、AIエージェントが分散した情報を横断的・迅速に取得・整理することで、情報収集を効率化できる。第二に、複数の計画やマニュアルを参照させることで、職員の問い合わせに応じて具体的な対応案を提示する意思決定支援が可能になる。第三に、行政データをAIが活用することによる住民サービスの高度化。第四に、エリアデータ連携基盤・MCP・AIエージェント・LLMを組み合わせた基盤を他自治体や他部局へ展開する横展開だ。民間事業者のサービスとの連携も進め、地域全体でのAI活用サービス創出を促進するとしている。