ブロックチェーンを用いた再エネ電力小売 見える化で広がる事業

『顔の見える電力TM』として再エネ業界で存在感を示すみんな電力。昨年末には第4回ジャパンSDGsアワードの内閣総理大臣賞を受賞し、その事業モデルは高い評価を受けている。創業10年を迎えた同社の歩みと今後について、同社取締役・姫井亜希氏の講義をダイジェストで紹介する。

事業のコア、電力×ブロックチェーン

2011年に設立したみんな電力は、『顔の見える電力TM』をコンセプトに、再エネ電力の小売り、他の電力事業者へのシステム・コンサルティング提供を事業の柱に据える。同社のコンセプトを支えるのが、自社で運用するブロックチェーン技術を活用した電源トレーサビリティシステムだ。これは発電量と事業所等での需要量データをマッチングさせ、改ざん不可能な形で記録する仕組み。どの発電所からどれだけ電気を買ったかを可視化できる。

脱炭素化の一環で、事業で使用する電力の再エネ100%化にコミットする世界的なイニシアチブ・RE100への取り組みなどが拡大するなか、電力の由来の明確化は不可欠。同社の提供する再エネ電力は国際基準にも準拠し、RE100などでも活用できる。

「再エネ導入は、企業などの事業運営上、欠かせなくなっています」と取締役の姫井亜希氏は話す。例えばRE100にも参画し、同社の電力を早くから取り入れ、現在は資本業務提携先でもある丸井グループのESG評価は非常に高く、株価にも好影響を与えているという。また国内大手金融機関が、従来型石炭火力発電所への投融資取りやめを発表するなど、いわゆるダイベストメントの動きも急速に広がる。

姫井 亜希 みんな電力 取締役

温暖化対策を推進する自治体の増加など、行政の動きも活発だ。2050年をゴールに脱炭素化を目指す横浜市とは、東北地方の風力発電所でつくられた電力を市内の事業者に供給する協働プロジェクトを実施している。

「先進的な企業・自治体では再エネ導入だけでなく、ともに再エネを広げていくフェーズにあります。例えば丸井グループ様とは協働で、エポスカードユーザー向けプランを企画・提供することで、自社のお客さまに向けて再エネ化を促進しています」

隠れた価値を可視化する

電気のつくり手がわかることを強みとする同社だが、元となったのは創業者の大石英司代表取締役のひらめきだ。起業の数年前、大手印刷会社で新規事業開発を手がけていた大石氏は、電車内での携帯電話の充電切れに際し、近くに座る人が持つキーホルダー型ソーラーパネルで発電された電力を買いたいと考える。例えば、応援するアーティストのつくる電力なら多少高くても購入する、つまり由来で電力の価値が変わるという気づきから、電力の生産者という価値を可視化するアイデアを発想した。

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