スマート水産業の社会実装に向けた取組 ICT、IoTで海の豊かさを守る

水産資源の持続的な利用や産業としての持続的な成長に向けて、水産庁では現在、スマート水産業の社会実装に取り組んでいる。その取組を通じ、「海の豊かさを守ろう」というSDGsの14番目の目標達成で貢献することも目指している。

髙瀨 美和子 水産庁増殖推進部研究指導課長

農林水産省では現在、農業、林業、水産業のスマート化を推進している。また、水産政策の改革も進めており、水産資源の持続的な利用、産業としての持続的な成長に向けた取組が、その2つの柱となっている。

漁業にもICTを活用する

水産庁が設置した「水産業の明日を拓くスマート水産業研究会」では、スマート水産業を「ICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット)等の先端技術の活用により、水産資源の持続的利用と水産業の産業としての持続的成長の両立を実現する次世代の水産業」と定義している。

図 スマート水産業が目指す2027年の将来像


2027年にスマート水産業により水産資源の持続的利用と水産業の成長産業化を両立した次世代の水産業の実現を目指す

出典:水産庁資料を編集部で改変

 

「水産資源は海の天然資源で、適切に管理しなければ枯渇してしまいます。その中で重要になるのは、資源を適切に評価し、評価結果に基づき漁獲を管理していくことです。IoTやICTなど様々な先端技術が発展する中、これらも活用して資源評価、資源管理の高度化をしていかなければいけないという流れになっています」。

水産庁増殖推進部研究指導課長の髙瀨美和子氏は水産資源の持続的な利用に向けた動きについて、こう説明する。また、水産業の持続的成長に向けては、生産性を向上させて所得を上げることや新規の担い手確保を通じ、産業として発展させていくことが重要になる。

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