2020年12月号
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コロナ制限下の成長・新ビジネス

外食大手のリンガーハット 大量の野菜を国産100%にできた秘訣

佐々野 諸延 (リンガーハット 代表取締役社長兼CEO)

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長崎ちゃんぽんの専門店を全国に650店以上展開する大手外食チェーンのリンガーハットは、2009年、料理に使用する野菜の全量国産化に踏み切った。「安全・安心」の評価が定着し、業績もV字回復を遂げ、さらなる品質向上の取組を進めている。

リンガーハットが、使用する野菜の国産化100%を目指すことになった経緯は2006年にさかのぼる。当時の米濵和英社長(現会長)は、日本フードサービス協会会長として食料自給率の向上を掲げていた。その一環で、国産野菜の共同仕入れの実現を目指し、全国の野菜産地をめぐる機会を増やした。

当時はリンガーハットのちゃんぽんの野菜にも海外産があった。新鮮な野菜は非常においしかったため、ぜひすべて国産へ変え、ちゃんぽんをさらにおいしくしようということで、使う野菜の100%国産化を08年に決断した。

リンガーハットのちゃんぽんには現在に至るまで様々な野菜が使われてきた。当時国産化にあたりもっとも苦労したのは、中国・アモイ産がほとんどだった、色・食感が素晴らしいオランダキヌサヤの国産化だったという。「オランダキヌサヤは通常のキヌサヤの7、8倍の大きさ。日本ではどこも作っていなかったんです。すでに国産化100%を実現し、信頼関係のできていたキャベツ生産農家の方々を説得して作付けしてもらうところから始めました」と、同社代表取締役社長兼CEOの佐々野諸延氏は当時を振り返る。

佐々野 諸延 (リンガーハット 代表取締役社長兼CEO)

国産化の課題はコスト
内製化と値上げで吸収

最大の課題は国産野菜を使うことでかさむコストをどう吸収するかだった。キヌサヤ、玉ねぎ、コーン、ニンジンは海外産だったため、これらも含め国産化100%を実現することによる経費増は14.5億円に上ると試算された。そこで、仕入れた野菜の洗浄、カット、袋詰めなどの加工作業を内製化し、カットする機械も自前でしつらえ、5億円分の経費を浮かせた。

同時に、消費者にも協力を仰いだ。メインメニューのちゃんぽんの値段を、地域価格を設け、50~100円アップするとともに、国産化のフラグシップ商品として「野菜たっぷりちゃんぽん」を新たに商品化。「半年間テスト販売をしたところ、特に首都圏での売れ行きが好調だったため全国発売に踏み切りました」と話す。こうしたブランド戦略も相まって業績も一気に向上。2010年には麺に使う小麦粉も国産化し、ぎょうざの主原料も2013年には全て国産へ切り替えた。

その後は、野菜以外の食材についても国産化を目指して取り組みを続けている。例えば生キクラゲもその1つ。全店舗で使う年間のキクラゲ使用量は50トンに上っていたが、当時国内全体の生産量は70トンしかなかった。そこで鳥取県にある日本きのこセンターに依頼して安定的な生産に欠かせない菌床を増産してもらい、これを生産農家に供給することを皮切りに全量国産化を実現した。

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