2020年12月号
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コロナ制限下の成長・新ビジネス

バーチャルな産業集積の可能性 地域にとって好機になるか

若杉 隆平(新潟県立大学 学長)

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新型コロナウイルスは、地球規模で広がってきたグローバルサプライチェーンのリスクを表面化させた。一方で、人との接触回避が求められるという生活様式の変化は、種々のイノベーションの機会となりうる。デジタル化を基盤とした事業の拡大、付加価値が高く、社会課題を解決する事業の創出が求められている。

新型コロナウイルス感染症が国境を超えて拡大した2020年春から、グローバルな経済ネットワークは大きな打撃を受けている。新潟県立大学学長の若杉隆平氏が、変化の渦中にある国際分業の将来について語った。

若杉 隆平(新潟県立大学 学長)

新型コロナで認識された
サプライチェーンの脆弱性

20世紀後半以降、航空運賃の低下やインターネットに代表される通信のイノベーションは、生産方式を抜本的に変えた。それまでは一国の中で財やサービスの開発、生産、販売、輸出が完結していたが、その必要性がなくなった。

「世界的な規模で最もふさわしい地域に生産工程を立地させ、各国・地域に分担させた生産工程をグローバルにつなぐことが可能になったのです。その結果、世界の貿易やサービスの生産がグローバル化し、サプライチェーンが形成され、貿易は爆発的に拡大しました」。

若杉氏は、グローバルサプライチェーン(GSC)の発展について、こう説明する。GSCは効率的で経済的に合理的だが、地理的な制約も受ける。まずは、米国を中心とする北米や、ドイツを中心とするヨーロッパ、日本を中心とする東アジアという形で始まった。

さらに、2000年以降は中国の経済成長が著しく、東アジアのサプライチェーンは次第に中国をハブとするものへと変化した。しかし、パンデミックが世界全体を覆ったことで、グローバルなサプライチェーンの脆弱性が認識された。

「現在はリスク分散のため、サプライチェーンの分散が重要だという指摘はその通りですが、分散には輸送コストなど追加的なコストもかかります。感染が世界全体に広がれば、分散させてもリスク回避は難しい。このような観点から、グローバルな生産の在り方を考え直す必要が生じています」。

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