技術力で海外から加工を受注 製造ベンチャーの目指す地域の未来

サプライチェーンの分断リスクを軽減するため、経産省は補助金を創設して、国内回帰を後押ししている。それを獲得した企業の一つ、栃木県足利市のAeroEdgeは、創業5年のものづくりベンチャー。技術を武器に欧州大手から航空機関連の部品加工を受注した同社が考える、コロナ後の製造業の姿とは。

森西 淳(AeroEdge 代表取締役社長兼執行役員CEO)

エアバスやボーイングの航空機に搭載されているエンジン「LEAP」の、タービンブレードの製造を担っている企業は日本にある。栃木県足利市で5年前に設立されたAeroEdge(エアロエッジ)だ。母体は、機械部品製造業者として、3代約80年にわたる歴史を紡いできた老舗、菊地歯車。AeroEdgeは、菊地歯車の航空宇宙部からの分割創業として2015年9月に設立した。

菊地歯車では2005年頃から、自動車産業、油圧建機産業に次ぐ柱として、難削材加工技術を活かし、航空宇宙産業への進出を目指してきた。特に欧州の航空宇宙産業を戦略的な市場と定めて技術開発と営業活動を進め、航空機エンジン製造大手の仏企業(Safran Aircraft Engines社)から「LEAP」のタービンブレードの国内初の長期量産サプライヤーに選定された。Safran社から航空機エンジンの部品加工の工程を受注した日本企業は、同社が初めてだった。菊地歯車は、これを機に担当部門をAeroEdgeとして別会社化した。

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