国産の木材を使った高層分譲マンション 市場の評価を注視

人工林の資源サイクルを回すため、高層建築に国産の木材を利用する取組が進む。野村不動産では木質系構造部材を使用した高層分譲マンションを計画し、申込を開始した。木を活用したデザインが市場で評価されることや、さらに木の用途を広めるイノベーションが、国産材の利用拡大には必要だ。

吉田 安広(野村不動産住宅事業本部 商品戦略部 次長)

マンションやアパートなど、共同住宅の数は平成の30年間で2倍に増加した。東京都では住宅の7割以上を共同住宅が占め、技術の進歩と規制緩和により、高層化も進んでいる。地震の多い日本では、100年以上にわたって、高層の共同住宅には鉄筋コンクリート造(RC造)が採用されてきた。大正時代に建築された日本初の高層集合住宅は、長崎県端島(軍艦島)で世界文化遺産となっている。このような常識を覆すように、2021年春には、国産木材を構造部材に使った高層分譲マンションが竣工予定だ。

国産木材を分譲マンションに使用

野村不動産と竹中工務店は、10階を超える新築分譲マンションとしては日本で初めて、木造ハイブリッド構造を採用した物件を実現させる。東京・御茶ノ水駅そばの「プラウド神田駿河台」で、地上14階建て、総戸数は36戸。柱・壁などに、国産木材を原料とした構造部材を採用するとともに、内装にも木を取り入れている。

プラウド神田駿河台の完成予想図と内装。外観はRC造とあまり変わらない。壁や天井など内装は木が中心となっている

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