2020年7月号
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コロナ後の推測

飲食業の再生へ 「外食」の枠を超え「中食・内食」へ進出せよ

中村 仁(トレタ 代表取締役)

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苦境にある外食産業の活路は、どこにあるのか。飲食店向けの予約・顧客管理サービスを提供するトレタの中村仁社長は、外食産業は積極的に中食・内食の領域へと向かうべきであり、店舗は「自分たちの世界観を伝えるメディア」だと明確に位置づけるのも1つの方法と説く。

中村 仁(トレタ 代表取締役)

「外食」にとどまらず、
「食」ビジネス全体を視野に

――トレタは、全国約1万店を超える飲食店に導入されている予約・顧客管理サービスを提供し、外食産業を支援しています。外食産業は苦境にありますが、コロナ後の復活に向けて何が重要になると見ていますか。

中村 今、外食産業には大きなパラダイムシフトが求められています。これまでの成功の定石が、ことごとく真逆になりました。例えば、コロナ禍前は店内にできるだけたくさんのお客様を入れて「密」をつくるのが当たり前、立地は駅前の一等地や繁華街を狙うのが定石でした。ところが今や、家賃の高い繁華街にお店を持っていること自体が大きなリスクになり、むしろ住宅街のお店のほうが有利になっている。

緊急事態宣言の解除後も客足がすぐに戻ることはないでしょうし、ソーシャルディスタンスを確保するためには席を減らさざるを得ない。店舗での売上減を前提に、新たなビジネスモデルを構築する必要があります。

――生き残りをかけて、どこに活路を見出すべきですか。

中村 大事なことは「外食」という括りで考えるのではなく、「食」ビジネス全体を俯瞰することです。25兆円規模の外食市場が、仮に9割減の2兆5000億円に落ち込んだとしても、人間が毎日の食事をしなくなるわけではありません。外食から消えた9割がどこへ向かうのかと言えば、中食・内食です。

例えば、外食の代表格だと思われていたファストフードは、店内での飲食禁止の期間中も中食の需要に柔軟に対応して好調を続けました。盛んに「外食産業の危機」が言われていますが、視点を上げて考えれば、約70兆円とされる日本の「食」市場全体は維持されており、その中で外食・中食・内食の境界線が動いているだけとも言えます。

私が実行委員長を務め、2015年から外食×ITのイベント「FOODIT TOKYO」を開催してきましたが、そのイベントで飲食店に訴えてきたのは、「外食」の枠を超えて外に向かうことの重要性です。しかし、動き出す人は一部にとどまっていました。

中村代表が実行委員長を務める外食×ITのイベント「FOODIT TOKYO」。中村代表は数年来、飲食店が「外食」の枠を超えて外に向かうことの重要性を訴えてきた

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