2020年7月号
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事業を構想し実践する「ビジネスデザイン」

写真撮影のC2Cビジネス 週末フォトグラファーに活躍の場

平野 歩(OurPhoto 代表取締役)、岡田 恵利子(OurPhoto サービスデザイナー)

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写真を「撮ってほしい人」と「撮りたい人」を繋げる出張撮影マッチングサービス「OurPhoto」は、写真業界における“C2Cプラットフォームビジネス”として急成長を遂げている。代表取締役の平野歩氏とサービスデザイナーの岡田恵利子氏にその要因を聞いた。

文・矢島 進二 日本デザイン振興会 理事

 

平野 歩 OurPhoto代表取締役(左)、岡田 恵利子 サービスデザイナー(右)

デジカメやスマートフォンの普及、そしてSNSの浸透により、写真は誰にとっても日常のものになり、1日でシャッターが切られる総量は人類史上最多のはずだ。ところが、特別な日や記録に確実に残したい一瞬など、自分では撮れない場合がある。従前であれば、プロか写真館に依頼するしかなく、費用面を含め敷居は高かった。

OurPhotoは、登録された1,100人以上のフォトグラファーの中から、「撮ってほしい人」が希望日時と場所、金額等で検索ができ、予約から決済、納品までオンラインで完結するサービスだ。データ30枚以上で、出張費込みで8,800円(50分、税込)からと敷居は低く利便性が高い。2015年に創業し、2017年にキヤノンマーケティングジャパンからの出資などもあり、2019年は撮影件数20,000件を達成するなど着実に成長を遂げている。

直感的なわかりやすいデザインと新規性の高いビジネスでグッドデザイン賞を受賞

平野氏は起業の経緯を語る。「前職は大日本印刷で、撮影関連企業の販促企画を担当した際に、フィルム単価踏襲の旧態依然とする古い業界体質に疑問を感じたのがきっかけでした。また気軽に素敵な写真を撮れるサービスが提供できたら、多くの人の生活をより幸せにできると思いました」

顕在ニーズでなく潜在ニーズを

参考にしたのは、AirbnbやUberなどの「C2C(個人間取引)ビジネス」だ。日本ではまだシェアリングエコノミーもC2Cも十分に知られていない時に、ユーザー同士で取引し合うプラットフォームビジネスを写真業界で展開したのが、OurPhotoの核心だ。

写真館の市場規模は2,000億円程度だという(2015年時点)。この市場を狙うのではなく、C2Cの導入で、新しい「撮ってほしい人」の市場が創出できると考えたという。サービス開始前に1年半かけて検証を続け、七五三やお宮参り、成人式などの顕在ニーズだけでなく、日常に対する多様な潜在ニーズがあることを見極めた。

家族や友人らとのカジュアルな集まり、旅行先での思い出など、多様なシーンの依頼がある

利用者層やニーズを聞くと「幅広いですが、30代の主婦層やファミリー層が一番多いです。親戚やママ友同士の集まりはサービス開始当初からニーズを感じていましたが、SNSやマッチングアプリ用のプロフィール、家族やペットの散歩風景、習い事や講演会の発表風景など、当初は想定していなかった事例がとても増えています。気軽さの提供によって、新しい創造をユーザーが見つけたのでしょう」

納品物もプリントではなく、カジュアルなデータに移行したことも時代に適合する。5年経った今では、特別な記念日よりカジュアルな日常の依頼が、4:6で逆転したという。

「初めての利用者が半数以上ですが、季節ごとに依頼をいただくなど、リピーターが着実に増えています。写真館と比較すると、自宅や公園などで撮影できますので、より自然な雰囲気の写真を残せるのが強みです」

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