多摩美術大で「デザイン経営」を社会に実装するプログラム開講
『PR手帳』で2020年のキーワードとしても掲載された「デザイン経営」。本連載でも何度かとりあげてきたが、先日、それを担う人材育成のための新しいスクールの開講が多摩美術大学より発表された。
文:矢島進二(日本デザイン振興会 理事)
「デザイン経営」とは、デザインを企業価値向上のための重要な資源として活用する経営の方法論だ。2019年10月号の本連載「デザイン経営宣言から1年」で筆者は、「至急の問題は、デザイン経営を担う人材の輩出だ。企業側に大きなニーズがあるのは確実だが、教育機関の教員確保、カリキュラム設計などは全く追いついていない」と述べ、また美術系と経済や商学部系の両者の大学から同時に、デザインとビジネスに関連する新学部・学科の動きがあることを紹介した。
11月21日に多摩美術大学が発表した「多摩美術大学クリエイティブリーダーシッププログラム(TCL)」開講のニュースは、その記事と符号する流れにあるものだ。
TCLは、日本初をうたう「デザイン経営」人材育成のためのスクールだ。社会人を対象とし、"デザインとビジネスを掛け合わせたハイブリッド人材"を育成することで、デザインの方法論でビジネスをドライブさせる「デザイン経営」を社会実装させ、グローバル環境における競争力強化に欠かせないブランド力向上や、イノベーション創出などに貢献することを目指す。
多摩美術大学は、22年前に情報デザイン学科を、6年前には統合デザイン学科を新設するなど、常に社会の動向を教育に反映してきた。TCL開講は、現在の社会的ニーズが、ビジネスとデザインの領域のブリッジ、本連載のテーマ「ビジネスデザイン」にあることを示している。
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