2020年1月号
購読申込み のあとに ログイン していただくと全文をご覧いただけます。

新時代の観光ビジネス

HIS澤田秀雄会長が語る観光の新ビジネス、挑戦の先にある未来

澤田 秀雄(エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長(CEO))

0
​ ​ ​

旅行業から始まったH.I.S.グループは今、ホテルやロボットなど新ビジネスを次々に創出し、IR誘致にも力を注ぐ。自ら変化を起こし、新たな市場をつくり出してきたH.I.S.グループは、これからどこに向かうのか。澤田秀雄会長に話を聞いた。

日本一のイルミネーションを7年連続で受賞しているハウステンボス。東アジアからも多くの来場者が訪れる

――近年、日本のインバウンド市場は拡大していますが、アウトバウンド(日本発海外旅行)の動向については、どのように見ていますか。

澤田 国内で少子高齢化が進み、「若者の旅行離れ」も言われていますが、私は、アウトバウンドもまだまだ成長できると考えています。世界各国の水準を見ると、国民の30%前後が海外旅行をしていて、それを踏まえると、日本のアウトバウンドには大きな伸びしろがある。2018年、日本人の海外旅行者数は約1900万人ですが、将来的には3000万人規模になる可能性もあると思います。

澤田 秀雄(エイチ・アイ・エス 代表取締役会長兼社長(CEO))

日本は安全で食事も美味しく、ある程度の豊かさがある。逆に言うと、快適な国内で安穏としていたら、世界の変化から取り残される恐れがあります。世界を知るためにも、日本人はもっと海外に出て行くべき。特に若者は海外でいろんなものを見たり聞いたり、人と出会うことで、想像力や挑戦する力、ハングリーさを身に付けることができます。

H.I.S.は世界70ヵ国に約270の拠点があり、現地の旬のレストランや最新スポットの情報を収集・提供したり、旅先での安全・安心をサポートしたりして、海外旅行を身近なものにしてきました。アウトバウンドを増やすには、海外の良さや楽しさをもっと発信する必要があります。H.I.S.だけでなくメディア等も含めて、みんなで盛り上げていかなければなりません。

全世界で旅行需要を取り込む

――インバウンドについては、政府が2030年に6000万人の目標を掲げるなど、アウトバウンドを上回る伸びが予想されています。

澤田 日本は外国人旅行者からの評判が良く、リピーターの比率も高い。ゴールデンルート(東京、大阪、京都)以外にも全国に素晴らしい観光資源がありますから、2度、3度と日本を訪れて、日本の多様な魅力を知る旅行者が増えていくでしょう。

旅行市場は世界で拡大しています。インバウンド・アウトバウンドの区別はどこに視点を置くかの違いであり、日本にとってはインバウンドでも、出発地の国・地域からすればアウトバウンドになる。H.I.S.も日本だけでビジネスを考えるのではなく、全世界の旅行需要を取り込むことで、大きな成長を目指すことができます。

今、海外企業をM&Aして旅行商品の仕入れを強化しているほか、着地でのオリジナルコンテンツ開発に力を入れています。また、世界の観光情報を一元化して、スマホやPCで閲覧できる新しいプラットフォームを開発しており、2021年にローンチ予定です。それは日本から海外へ旅行する人だけでなく、海外から日本を訪れる人も利用できる、グローバルなインバウンドプラットフォームになります。

デジタル化の波に対応することは、旅行業にとっても急務です。それができないと、英旅行代理店「トーマス・クック」のように破綻してしまう。トーマス・クック・グループの従業員数は約2万人、H.I.S.グループは約1万7000人と規模的にも似ていて、我々も危機感を持たなければなりません。

残り71%

0
​ ​ ​

バックナンバー

メルマガで記事を受け取る

メルマガ会員限定で、
ピックアップしたオンライン記事を
毎日お届けします。

以下でメルマガの登録ができます。

購読申し込みで全記事が読める

2018年4月号「SDGs×イノベーション」完売!

会員になって購読すれば、バックナンバー全記事が読めます。PC・スマートフォン・タブレットで読める電子ブックもご用意しています。

バックナンバー検索

注目のバックナンバーはこちら

最新情報をチェック。

会員になると 最新「事業構想」が読み放題。さらに

会員の特典をもっとみる