ECのデータを基に商品開発 「生涯大切にできる本物」を世界へ
仙台に本社を置くワイヤードビーンズは、有名ブランドのECサイト構築事業と、工芸職人とのオリジナル製品の開発事業を展開する。一見遠いように見える2つの事業をうまく連携・循環させて、唯一無二の補償サービスなどを生み出している。
文・矢島進二 日本デザイン振興会 理事
仙台市はこの夏、東北大学や七十七銀行、東京証券取引所などと連携し、株式上場の可能性のある地元中小企業を選出し、上場実現に向け集中的な支援を行う「仙台未来創造企業創出プログラム」を始動した。8社選出された中の1社がワイヤードビーンズだ。
同社は今年創業10年を迎えたデジタルビジネス企業。ここ数年、2億→3.2億→5億と昨対150-160%の成長を続けており、今期の売上目標は8億円で、行政が上場支援をするのも頷ける。現在はデジタルソリューションとデジタルマーケティングの2つを主要事業にしている。
デジタルソリューションは、米国Salesforce.com が提供するクラウド型コマースソリューションを使用し、コスメやアパレル等、大手グローバル・ブランドのECサイト構築と運営を行う。海外サイト構築でも15カ国の経験があり、Salesforceクラウド型コマースソリューションでは国内トップクラスの実績を持つ。
デジタルマーケティングは、「生涯を添い遂げる」ブランドで人気の高いグラスやマグカップなど、「職人とお客様をつなぐこと」をミッションに掲げ、各地の職人とオリジナル製品の開発を行うものづくり事業だ。2010年度以降8アイテムでグッドデザイン賞を受賞。デザインは全てGKインダストリアルデザインが担う。
「私は経営においてデザインを重要視しています。そのため、創業時から国内最大手のデザイン企業と提携しています。GKインダストリアルデザインはスタイリングのデザインだけでなく、当社のブランドづくりに関わる重要なビジネスパートナーです。『生涯を添い遂げる』ブランドはシリーズ累計10万個以上を販売しました」とワイヤードビーンズ社長の三輪寛氏は言う。
ITとモノづくりの循環
同社のビジネスモデルの最大のポイントは、ソリューションとマーケティングの事業を、相互に連携させて表裏一体で経営していることだ。
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