2019年8月号
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持続可能な世界をつくる

アップサイクルで和服に新たな価値、地域のデザイナーと共創

藤枝 瀬里子(リクラ プランナー、事業構想大学院大学 福岡校1期生)

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衣料品や食材の大量廃棄が報じられるなど、使えるのに捨てられるモノが膨大にある現代社会。商品を素材にまで分解し、新しい価値を与える「アップサイクル」を通じてハンドメイドの価値を社会に広め、サーキュラーエコノミーにも貢献する事業家の構想とは。

藤枝 瀬里子(リクラ プランナー 事業構想大学院大学 福岡校1期生(2018年度入学))

「リサイクル」を超えて
新しい価値を与える

――現在お務めのリクラとは、どんな経緯から創業されたのでしょうか。

石川県の葬祭用品メーカーである「三和物産」に、2018年の4月から新規事業のプランナーとして入社しました。私自身、編み物が趣味でオランダ発のTシャツのアップサイクルヤーンを使っており、模索を経て着物のアップサイクルにたどり着きました。

三和物産は創業当時、端切れの収集・販売から始まっており、リクラは同社の社内ベンチャーとして、2018年10月に設立しました。『すてずに、すてきに、Re: craft』をコンセプトに、生地や端切れのアップサイクル商品の企画・開発・販売を手掛けています。要らないモノ、捨てられるモノが沢山ある世の中、新しい価値を与えて必要な人に届け、無駄のない社会を実現したいと考えています。

――「キモノヤーンの事業構想」は、どのように始まったのでしょうか。

着物は洋服と違い直線裁断で作られており、一度着物に仕立てたものでも、解いてつなぎ合わせると「反物」に戻すことができます。昔の人は、着る人の寸法に合わせて何度も仕立て直したり、最後はおむつや雑巾に到るまで使っていました。環境に優しい衣服を日本人は作っていたのだな、と思いを馳せることもあります。ですが、ある調査では、総額40兆円分がタンスの中に眠っているとも言われます。ただ収納されているだけでは、過去の文化になってしまいます。こうした社会状況を何とかしたいと感じ、着物(和服)を対象に絞りました。

同じ再利用のサイクルでも「リサイクル」ですと、価値は元のモノと同じに戻るにすぎないか、場合によっては元以下になってしまうことがあります。キモノヤーンでは、和服を素材であるヤーン(糸)にすることで、元々の仕立てとは異なる新しい価値を付加する「アップサイクル」というプロセスを提供しています。

着物のアップサイクルヤーン「kimonoyarn(キモノヤーン)」。ヤーンとは編み物や織物などハンドメイドで使う糸のこと

なお、三和物産への入社と共に、開学したばかりの福岡事業構想大学院にも1期生として入学しました。1年目の講義で、田浦俊春先生より「シンセシス」という概念を知り、構想のきっかけとなりました。

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