サーキュラー・エコノミーの時代、日本企業の活路は?
日本で「エシカル」や「オーガニック」、「サステナビリティ」などの価値観に基づく消費を広く浸透させるのは難しい――。CIRCULAR ECONOMY JAPANの代表、中石和良氏は、経済合理性で選ばれる商品・サービスの開発をとおして、持続可能なライフスタイルを提案する。
CEで世界に遅れをとる日本
――2013年にBIO HOTEL JAPAN(ビオホテルジャパン、BHJ)を設立されました。どういった狙いだったのですか。
中石 当時、日本ではオーガニック商品のビジネスがなかなか浸透しませんでした。また、消費者が持続可能なライフスタイルを志向しても、そのための商品・サービスの選択肢が限られます。オーガニック商品の多くは海外からの輸入品であり、価格帯も高めになっています。
何か新しい切り口がないかを模索しているときに、宿泊客の健康と環境に配慮するホテルの認証「BIO HOTEL(ビオホテル)」を知り、オーストリアに本部を置くビオホテル協会と公式提携して、BHJを設立しました。現在、日本では3軒の宿泊施設がBH認証を得ています。
さらに、私は企業と協力して商品・サービス開発を行い、それらを「ビオホテルブランド」として浸透させる取り組みを行っています。2年前から東京インターナショナルギフトショーにおいてサステナビリティゾーンのプロデュースを行い、また直近では銀座ロフトの一角に、持続可能な衣食住を体験できる常設のプロデュースゾーンを設けています。
こうした活動をさらに発展させるため、2018年秋に「サーキュラー・エコノミー・ジャパン(CEJ)」を立ち上げ、産業界へのアプローチに力を入れています。「サーキュラー・エコノミー(循環経済、CE)」とは、資源や製品を経済活動の様々な段階(生産・消費・廃棄など)で循環させることで、資源やエネルギーの消費や廃棄物発生を無くしながら、かつその循環の中で付加価値を生み出すことによって、 経済成長と環境負荷低減を両立するための産業システムであり経済モデルです。
ところが日本では、CEは3R(リデュース、リユース、リサイクル)といった環境対応の延長にある概念だと誤解されているケースが非常に多い。日本の3Rの技術は世界トップクラスであり、それは日本社会に根付いています。CEを3Rの延長線と誤解してしまうと、日本がCEで世界に遅れをとっているという危機感が生じづらくなります。
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