2019年7月号
購読申込み のあとに ログイン していただくと全文をご覧いただけます。

未来をデザインする構想

販売業からサービス業へ ボルボの未来マーケティング

木村 隆之(ボルボ・カー・ジャパン 代表取締役社長)

0
​ ​ ​

“安全性の高い車”というイメージの強いボルボ。木村隆之氏は、2014年に社長就任以降、販売台数・ブランド認知度を順調に伸ばしている。木村氏の考える、未来のクルマ、未来のマーケティングとは…。

木村 隆之(ボルボ・カー・ジャパン 代表取締役社長)

ボルボの安全神話

ボルボの安全神話の歴史は、1927年の創業まで遡る。自動車の黎明期、馬車とは違うスピード、利便性、所有のステータスに人々が熱狂していた時代。スウェーデン人の2人の創業者は“クルマは人によって運転され、使用される。したがって、ボルボの設計の基本は常に〈安全〉でなければならない”と、〈安全〉をコアバリューに置いた。それが、今現在まで連綿と繋がっている。

1959年、ボルボのエンジニア、ニルス・ボーリンによって開発された3点式シートベルト。ボルボは、誰もがこの技術の恩恵を得られるよう、特許を無償公開。以来、このシートベルトは、100万人を超える人々の命を救ったとされている。

1970年には、ボルボ事故調査隊が発足。延べ4万5000件以上の実際の事故データをもとに、車の安全性をさらに上げる仕組みを作り上げている。ボルボ本社のある、スウェーデンのイエテボリには大きなセーフティセンターが設置されており、中では実際に起きた事故と同じスピード、同じ角度で車の衝突実験を行える設備が整っている。

安全を裏付ける事故調査のサイクル

出典:ボルボ・カー・ジャパン資料

 

「車の衝突を再現するために、これほど大がかりな施設を持っている自動車メーカーは他にないでしょう」と木村社長。

ボルボは2008年に“2020年までに、新しいボルボ車での交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする”というビジョンを掲げている。〈安全〉に関して、非常にフォーカスしたメーカーだと言える。

〈安全〉と〈スカンジナビア〉

ボルボと言えば、一定の知名度を持つブランドとして知られるが、自動車メーカーとしての規模は小さい。グローバルでの販売台数は2015年に50万台を初めて超え、2018年に60万台に達したところ。サイズとしては、これより小さな自動車メーカーは日本には1つもない。

ボルボ・カー・ジャパンは、ボルボ100%出資で、1986年に設立した。木村社長が就任した2014年以降、販売台数は31.1%増(受注台数65%増)、ブランド認知度も49.3%アップと、順調な成長を続けている。

こだわるモノにはお金を使うが、こだわらないモノにはとことん節約するのが、日本における購買行動の特徴。二極化の中、車の世界では、5~6年前まで軽自動車がよく売れていた。二極化の下の方に焦点が当たってきたが、上はまだ来ていない。木村社長は、就任以来、「上はこれからまだまだ伸びる。ボルボが生き残るには、誰が見てもプレミアムな車だということを、理解してもらうことが重要」と言い続けてきた。

残り54%

0
​ ​ ​

バックナンバー

メルマガで記事を受け取る

メルマガ会員限定で、
ピックアップしたオンライン記事を
毎日お届けします。

以下でメルマガの登録ができます。

購読申し込みで全記事が読める

2018年4月号「SDGs×イノベーション」完売!

会員になって購読すれば、バックナンバー全記事が読めます。PC・スマートフォン・タブレットで読める電子ブックもご用意しています。

バックナンバー検索

注目のバックナンバーはこちら

最新情報をチェック。

会員になると 最新「事業構想」が読み放題。さらに

会員の特典をもっとみる