2019年5月号

観光まちづくりの未来

訪日客3,000万人時代 「観光案内所」に求められる進化

Huber.

0
​ ​ ​

個人旅行の訪日外国人旅行客が増える中で、旅の起点である観光案内所の機能強化が急務だ。Huber.は東急電鉄とともにガイドサービスを組み合わせた「交流型」の観光案内所の展開をスタート。自治体・DMOなどと連携しながら、インバウンド観光の活性化を推進している。

訪日外国人旅行客と市民ガイドのマッチングサービス「Huber.」には、全国7,000人のガイドが登録

2018年に3,119万人に達した訪日外国人旅行客数。中でも顕著なのは個人旅行者の増加だ。観光庁の訪日外国人消費動向調査によれば、2012年に60.8%だった個人旅行者(観光・レジャー目的)は、2018年7-9月には78.7%まで増加。特に、泊数や消費額が多い欧米人では約9割を個人旅行客が占める。個人旅行ならではの自由な旅のスタイルを楽しむリピーターたちが、日本の地方圏に広がっている。

地方を訪れる訪日外国人旅行客の満足度を高め、リピーターを増やすために重要なのが「観光案内所」だ。

「ネットやスマホで観光情報が得られる時代に、観光案内所には"対面だからこその価値"が求められています。手荷物預かりや両替はもちろんですが、それ以上に重要なのは"ガイド&コンシェルジュ"の機能。旅行客のニーズに合わせて、地域ならではのグルメや体験をリコメンドし、現地を地元住民がガイドする。そして相談や交流から得た訪日外国人旅行客の定量的・定性的データを、新たな体験造成の企画や地域ブランディングに活用する。そんな"交流型の観光案内所"の整備が急務です」

紀陸 武史 Huber.代表取締役CEO

そう指摘するのは、Huber.(ハバー)代表取締役CEOの紀陸武史氏。同社は訪日外国人旅行客向けガイドマッチング事業のほか、2018年から東急電鉄と連携し、交流型の観光案内所事業「WANDER COMPASS(ワンダーコンパス)」においてガイドマッチングサービスを提供している。

政府も観光案内所のサービス品質改善に本腰を入れている。観光庁は全国に約1,000カ所あるJNTO認定外国人観光案内所を、2020年末までに1,500カ所に増やす方針だ。また、2019年1月には『JNTO認定外国人観光案内所のブランド力向上に向けた有識者検討会』を立ち上げており、紀陸氏は検討会の委員も務めている。

交流から信頼関係を築き、
リピーターを育てる

Huber.は現在、東京と京都のWANDER COMPASSにおいてガイドマッチングサービスを提供し、訪日外国人旅行客に向けた交流型の観光案内所を起点とした"住んでよし、訪れてよしの観光まちづくり"を実現している。

「WANDER COMPASS」では、訪日外国人旅行客の定量的・定性的データを収集

このガイドサービスは、訪日外国人旅行客と、国際交流をしたい学生や社会人をマッチングするもので、2017年10月から「Huber.」のサービス名で全国展開しており、2019年3月時点で7,000人の市民ガイドが登録している。このリソースをWANDER COMPASSでも活かし、英語を中心とした言語対応可能なスタッフが訪日外国人旅行客の要望を聞きながら旅のプランを考えた上で、市民ガイドとのマッチングまでを行っている。

ガイドサービスからは、今まで取得できなかった訪日外国人旅行客の深いユーザーインサイトを集められる。「日本人が当たり前に思っている風景や食事、体験を外国人は『美しい』『面白い』『美味しい』と感じます。ガイドを通じて、見過ごされていた観光資源の発見ができます。居酒屋巡りや商店街食べ歩き、米作り、漁師体験、工場夜景など、あらゆる地域の個性が観光コンテンツになり得るのです」

Huber.は東急電鉄と共に、世田谷線・豪徳寺への訪日外国人旅行客の大幅増を実現した

実際に東急電鉄とHuber.は、ガイドサービスを通じて世田谷線沿線の豪徳寺を新たな観光資源として"発見"。数え切れないほどの招き猫が並ぶ、フォトジェニックなまちとしてプロモーションをかけ、豪徳寺への訪日外国人旅行客の大幅増に寄与した。

また、市民ガイドや地元住民との交流は、訪日外国人旅行客のリピート率を高める鍵になる。「まちを好きになり、また行きたいと思う最大の要素は"人"です。旅行客と住民が友達になれば、あらゆる問題が解決できるはず。例えば、道でゴミを捨てる、つばを吐くといったマナー問題も、友達ならば一言注意するだけで良いですよね」

自治体と連携し、全国展開を加速

4月にはWANDER COMPASSの新店舗が別府でオープン。Huber.は、WANDER COMPASSをはじめとした観光案内所の受託運営を2019年度中に全国数十カ所まで拡大する方針で、地方自治体や観光DMOなどと連携を進めていく。

「新たに観光案内所を整備するコストは不要です。既存の案内所に1席、当社スタッフ(ガイドコンシェルジュ)を加えてもらえれば、交流型の観光案内所が実現します」

具体的には①スタッフによる訪日外国人旅行客ガイド(リサーチ)の実施、②訪日外国人旅行客の嗜好性データの収集と共有、③新たな観光資源の可視化と体験造成、④市民ガイドの育成とコミュニティ運営、などの価値をワンストップで提供する。

「リサーチデータを自治体やDMOと共有し、訪日外国人旅行客に響く地域コンセプトの明確化、的確なプロモーション展開、観光インフラの整備などに役立てていきます。また、新しいツアー体験を造成し、市民ガイドがそれらを案内できるように育成し、ガイドの機会を増やします。地元商店も訪日外国人旅行客に訪れてもらうきっかけが増えるはず。このように観光まちづくりのPDCAを回し、サステナブルな仕組みを構築していきます」

将来的には、WANDER COMPASSを全国ネットワーク化し、訪日外国人旅行客を各地に送客する体制をつくる構想だ。「民泊やコリビングサービスを活用しながら、訪日外国人旅行客がWANDER COMPASSを渡り歩き、全国に友達をつくる。旅の始まりはWANDER COMPASSに行けば大丈夫。そんな未来を描いています」と紀陸氏は言い、こう続ける。

「観光案内所は、まちづくりの中心となり、地方創生の起点になる可能性を秘めています。訪日外国人旅行客だけでなく、外国語を学びたい子どもたちや学生、住民、商店の方々が自然に集まり、さまざまな方法で交流する。観光案内所で働くことが格好良いこととして認識され、UIターンした旅好きの若者が運営を担う。私達は観光案内所のアウトソーシングを通して、若者を中心とした未来志向のまちづくりに貢献したいと考えています」

 

Huber. への

お問い合わせ


株式会社Huber.
神奈川県鎌倉市小町2-14-7
かまくら春秋スクエア2F
電話:0467-81-4300
Mail:pr.all@huber.co.jp( 担当:佐間田)
URL:https://huber.co.jp/

 

0
​ ​ ​

バックナンバー

メルマガで記事を受け取る

メルマガ会員限定で、
ピックアップしたオンライン記事を
毎日お届けします。

以下でメルマガの登録ができます。

購読申し込みで全記事が読める

2018年4月号「SDGs×イノベーション」完売!

会員になって購読すれば、バックナンバー全記事が読めます。PC・スマートフォン・タブレットで読める電子ブックもご用意しています。

バックナンバー検索

注目のバックナンバーはこちら

最新情報をチェック。

会員になると 最新「事業構想」が読み放題。さらに

会員の特典をもっとみる