「時間を切り売りする」副業から脱却 シナジーのあるキャリアの築き方
キャリアの複線化が進み、副業・兼業への注目が高まっている。しかし、それぞれの活動にシナジーがなく、バラバラのキャリアを積み上げている人も多い。その課題を解決するのが「キャリアモデル」の考え方であり、それは人材不足の緩和にもつながる。
人生100年時代が到来し、企業も副業を解禁し始めるなど、2018年は否応なしに個人単位で「働き方」を見つめる年になった。それは大企業、大都市に限ったことではない。
ここ仙台では東日本大震災以降、「起業する」という機運が高まっているが、その機運をうまく活用し、様々な「働き方」を模索する人々のニーズを汲みながら、東北の起業家と新しい働き方を模索する人々をつなぐプロジェクトがスタートしている。
図1 仙台市の新規開業率は、福岡市に次いで第2位
東北/仙台を課題解決先進地に
東日本大震災以降、仙台市を中心として、職場を失った方、若者、主婦などが規模は小さくても新たなビジネスに挑戦しようとする機運が高まっている。その動きを仙台市も積極的にサポートした結果、2016年には福岡市に次いで開業率が第2位となるなど、仙台およびその近隣地域は創業・起業が盛り上がっている(図1参照)。
そして、ここ仙台(東北)の起業に関して特筆すべきは、被災地の復興や地域課題/社会課題の解決を目的として、「誰かのために」「地域のために」という想いを持って起業している方が非常に多いことだ。このような流れを受けて、仙台市は「女性活躍・社会起業の改革拠点」として2015年8月に国家戦略特区に指定された。
この強みを活かすべく、仙台市は東北各地および仙台のソーシャル・イノベーション創出を促進するために、社会課題を解決する起業家を集中サポートするプログラム「SOCIAL INNOVATION Acceleratorプログラム」(以下、SIA)を2017年度からスタート。現在、2期目のSIAプログラムを実施中である。
このSIAプログラムの運営を仙台市から受託しているのが、私が所属する「INTILAQ東北イノベーションセンター」である。INTILAQ(インティラック)は2011年の東日本大震災からの復興支援を目的として、カタールフレンド基金の支援のもとで作られた施設だ。東北地方にて、新しいビジネスやサービスが生まれ育っていくエコシステムの創造を目標に、施設の運営や各種ワークショップの企画運営などを行っている。
震災後、様々な社会課題が表面化した「課題先進地の東北/仙台」から、「課題解決先進地の東北/仙台」へと生まれ変わり、それを日本全体に波及させるべく、集中支援プログラムによる社会起業家の育成を図り、ロールモデルの輩出、社会課題の解決を進めているのが今の仙台だ。
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