YouTuberという職業が生き残る理由 「自分らしさ」は時代を超える

昨今、YouTuberやInstagrammerなどのインフルエンサーが職業として広く認知され、その影響力が注目されている。5G時代の到来など、更にテクノロジーが進化していく中、YouTuberのあり方はどう変わるのか。そこに、未来の働き方を考えるヒントがある。

渡邉 拓(BitStar 代表取締役)

スマートフォンの使用が当たり前となった現在、SNSや動画配信サイトなどで支持を得ているインフルエンサーたちが、新時代のメディアタレントとして存在感を増すようになった。

「日本におけるメディアとタレントの変遷を振り返ってみると、大きく3回のパラダイムシフトがあったと考えています。まず、テレビのない時代には、舞台に立つ歌舞伎役者のようなリアルスターが活躍しました。その後、映画が普及してくると映画でのスター、そして、テレビが一般家庭にも普及するにつれてお笑い芸人やプロレスラーなどテレビで活躍するスターが出てき始めました。映画の時代には露出の場がなかった人たちが一気にメジャー路線に出てきた、そんな時代ですね。

そしてネット時代が到来し、いつでもどこでも誰でもスマートフォンで動画を見られるようになり、YouTuberやTikTokerといったスターが誕生したのです」と語るのは、2014年からインフルエンサーと企業のマッチングプラットフォーム「BitStar」を運営しているBitStar代表取締役の渡邉拓氏だ。

YouTuberの自己実現を応援

大学院卒業後に勤めていたスタートアップから独立し、「死ぬまでに、産業・文化になるものを遺したい」「たくさんの人に幸せと感動を提供したい」という大きなミッションを掲げて起業した渡邉氏。最初に手がけたのが、「インフルエンサーが活躍できるインフラを作る」というビジョンを実現するための広告事業だった。

「すでに海外では、YouTuberだけのオリジナル番組が制作されて人気を得ていたり、有名なテレビタレントがインフルエンサーと絡んで商品プロモーションを行って実績をあげていました。日本のYouTuberたちが"趣味の延長"とか"ちょっとした小遣い稼ぎ"と捉えているのとは大きく状況が違っていたんです。

そこで、YouTuberを職業として確立させ、彼らの働き方のみならず生き方や自己実現まで応援できるような仕組みをつくりたいと考えました」

近年は、動画の視聴実績などに応じて広告収入が得られるマネタイズのプラットフォーム「BitStar」をベースに、顔出しは出来ないが配信はしたいというユーザーにアバターによる動画配信環境を提供する「バーチャルYouTuber(VTuber)」事業や、インフルエンサーやそのフォロワーの属性を解析し可視化することで、最適なプランニングアシスタントを提供するデータマーケティング事業。タレント事務所やマスメディアと連携しインフルエンサーに更なる活躍の場を支援するマネジメント事業、視聴者同士の自発的な交流を促し、YouTuberとのつながりを育むファンコミュニティ事業などインフルエンサー事業次々とリリースしている。

「YouTuberは、自らがタレントでもあり、コンテンツ制作者でもあり、メディアでもあるという点で従来のタレントとは違う難しさを抱えています。複数の事業を垂直統合で動かすことで、彼らを支援していくエコシステムを形成しているんです」と渡邉氏。

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