2018年11月号

自治体SDGs始動

低炭素・再生可能エネルギーに補助金 2019年度も増額見込み

月刊事業構想 編集部

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SDGsへの取り組みは、地域経済を活性化させる大きなチャンスとなる。例えば、自治体と地域事業者が連携し、再エネ事業を創出して雇用を生み出している。このような事業を後押しする国の予算が、2019年度はさらに増額される見込みだ。

地方創生SDGs始動

「自治体SDGs」に、新たな動きがあった。2018年8月に、パートナーシップによる知見・ノウハウの吸収、官民連携の促進を目的に「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」が立ち上がった。このプラットフォームは、地方自治体・関係省庁・民間企業等、合計436団体(8月31日現在)の会員で構成されている。8月31日に開催された設立総会・キックオフイベントでは梶山内閣府特命担当大臣(地方創生)も登壇し、「多くの地方自治体、民間企業、学術機関、NPO等にご参加いただいている本プラットフォームの活動を通じ、地方創生の更なる実現に向けた官民連携プロジェクトが創出される等、パートナーシップの深化が図られることを期待する」と述べた。

期待される民間資金の大量誘導

これにとどまらず、現在、「新たな地方創生」につながる取り組みは国を挙げて進められている。

例えば環境省では、2013年より低炭素化プロジェクトに地域の資金を含む民間資金を呼び込むことを目的に「地域低炭素投資促進ファンド事業」(図1)が実施されている。これは、出資による支援とその審査やモニタリングの過程において様々な助言を行うもので、2019年度にも48億円が予算化される見込みだ。

図1 地域低炭素投資促進ファンド事業 概略

出典:環境省

 

「グリーンボンドや地域の資金を活用した低炭素化推進事業」(計8億円)も注目の動きだ。「グリーンボンド発行促進体制整備支援事業」(7億円)と「地域低炭素化推進事業体設置モデル事業」(1億円)で構成されているが、背景には、世界的に見ても『2℃目標の達成』(温暖化による被害を回避するため、気温上昇を産業革命前に比べ2℃以内に抑える国際的目標)のために莫大な投資が必要になることがある。IEA(国際エネルギー機関)によると、2016年から2050年まで電力部門脱炭素化で約9兆米ドル、建築物・産業・運輸3部門の省エネで約3兆米ドルの追加投資が必要だが、全てを公的資金でまかなうのは現実的ではない。必然的に、今後、民間資金を低炭素化事業(再エネ、省エネ等)に大量誘導していくことが不可欠といえる。一方で、地域の再エネを活用した新電力事業が相次いで展開されており、環境省としては、これを地域再エネの活用や省エネルギー化等の低炭素化の推進に繋げることを狙っている。民間の創意工夫の下、地域における面的な低炭素化を事業として持続的に展開することで、地域の低炭素化への民間の資金導入を期待しているのだ。

自治体と事業者との連携が不可欠

このうち地域の再エネの担い手を持続的に増やすことを目的とした「地域低炭素化推進事業体設置モデル事業」(図2)は、地方自治体の積極的な参画・関与の下、低炭素化事業を実施する事業体を、地域金融機関、地元企業、一般市民等の出資によって設置する場合に事業化に係る費用の一部を補助するもので、2018年度は7月31日から8月31日まで公募がなされた。

図2 地域低炭素化推進事業体設置モデル事業 概略

出典:環境省

 

補助には、地方自治体の参画又は関与が優遇される。具体的には、地方自治体や地元企業の参画・関与を活かした事業スキームを構築し、地域へのメリットを得るとともに、自立性・持続性も見込まれる地域低炭素化事業体を中心に支援がなされる。つまり、地域のステークホルダーのコミットメントが求められているのだ。

環境省の資料によると、事業や需給管理の計画策定・システム構築に要する費用を補助される。事業体の立ち上げ又は拡充に必要不可欠なことをバックアップすることで、より地域に根付いた公共性の高い取り組みが広がっていくことを狙っているのだ。補助事業なども含め、今、「新たな地方創生」に向けた環境は整いつつある。その環境を生かしつつ、様々なステークホルダーが手を組むことが今、地方創生に期待されている。

自治体首長・担当者・地方議会議員の方へ 特別シンポジウムのご案内

低炭素化推進と持続可能な地域づくり
~早期収益化と経済活性化を実現する地域新電力会社設立とは~


■日時 2018年11月30日(金)13:00~15:30

■概要

SDGsへの取組みは、自治体単位での必要性もあり、具体的な検討、もしくはすでに国からのモデル事業への採択を受け、動き出している事例も出てきました。今後、ますます、未来へつながるための『自治体SDGs』の必要性と気運は高まっていきます。

また一方で、電力自由化を期に地域の経済活性化策の一つとして自治体や地域企業がその運営に参画する地域新電力は拡大しつつあります。地域新電力はその立ち上げ、運営を通し、地域の雇用促進、資源の有効活用、低炭素化、そしてネルギーの地産地消など様々なメリットを提供します。それらは地域の持続可能性の重要なキーポイントの一つでもあり、自治体SDGsとは軌を一つであるといえます。

本シンポジウムでは、先進自治体のエネルギー戦略と実践事例を紹介し、地域の「持続可能性」と「経済活性化」を実現する手法について掘り下げていきます。また地域新電力の設立において、早期収益化と域内経済を活性化させていく実例なども詳解します。


■対象
 地方自治体首長、地方議会議員、地方自治体職員、
 地域のエネルギー企業

■参加費 無料

■内容
・産業創出と地域循環型のエネルギー構想
・環境・エネルギー視点での持続可能な自治体モデル
・早期に収益化!これから始める自治体PPS
・パネルディスカッション:資源活用と持続可能な地域づくり

■会場
佐賀商工ビル 佐賀県佐賀市白山2丁目2-12

■主催
株式会社日本ビジネス出版 環境ビジネス

■後援
学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学

■協賛
株式会社Looop

お申込詳細は
https://www.kankyo-business.jp/event/
お問合せ先 株式会社日本ビジネス出版
TEL:03-5287-8600
Mail:seminar@kankyo-business.jp

 

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