2018年1月号
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クリエイティビティの行く末

シンギュラリティの時代 デザインは「人間とは何か」を問い直す

久保田 晃弘(多摩美術大学 美術学部 教授)

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「デザインとは何かを追求すれば、人間とは何かという問題に行き着く」。技術的発明を新たな芸術表現のために利用するメディアアート。シンギュラリティ(技術的特異点)が議論されるいま、デザインの果たすべき役割とは…。

久保田 晃弘(多摩美術大学 美術学部 教授)

“Not Now, Not Here, Not Human”。久保田氏が、近著『遙かなる他者のためのデザイン』(BNN新社、2017年)の最後に記した、これからのデザインにおけるモットーだ。

「いま、ここだとか、人間中心といった、これまでなんとなくデザインを象徴してきた言葉。本当にそうだろうかということを20年ほど考えてきました」(久保田氏)。

久保田氏は、デザインの先駆者たちの思考を24のテキストにまとめた教養書『DIGITAL DESIGN THEORY』から、ホーコン・フェステが2015年に書いた“ポスト人間中心のデザイン”に注目する。

「人工知能、mind-uploading(精神のアップロード)、ロボット、サイボーグ…。未来を考えるとき、シンギュラリティ議論は欠かせません。そうした中にあって、“ポスト人間中心のデザイン”を考えることが、今後、否応無く必要になっていきます」(久保田氏)。

デザインは思考するためのツール

デザインに限らず、歴史を学ぶことは重要だ。ただし、そこから学ぶのは教訓ではなく「僕らがいかに古き因習に縛られているかを知ること」だという。歴史を知ることで、自分たちが歴史の既成概念を自覚し、そこからどう発想を自由にし、これから先の問題を明確にしていけるかを深く思索することが重要だ。

久保田氏はその方法の一例として、アンソニー・ダンとフィオナ・レイビーの提唱する“スペキュラティヴ・デザイン”を紹介する。“スペキュラティヴ・デザイン”では、デザインの役割を『問題を解決する』ことではなく『問題を発見すること』だとする。「彼らが強く主張するのは、“デザインは思考するためのツール、考えを深めるための手段”だということです」(久保田氏)。

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