ウェアラブル市場、突破口どこに? 独自デバイスで成長に手応え

IoTデバイスとして注目を集めるウェアラブルだが、近年、参入と撤退が繰り返されている。そうした中で、Moffは独自のサービスでヘルスケア事業を展開。普及への足掛かりをつかんでいる。

3Dモーション認識技術を備えたウェアラブル端末『Moff Band』。カラフルなラインナップを揃えている

高萩 昭範(Moff 代表取締役)

2013年にサムスンが、2014年にAppleが革新的なウェアラブル端末としてスマートウォッチを発表した。同時期、日本でもリストバンド型のウェアラブル端末が産声を上げた。高萩昭範氏が率いるスタートアップ企業、Moff(モフ)が開発した『Moff Band』だ。

見た目は腕時計のようなMoff Bandだが、内部に加速度センサーとジャイロセンサー、近距離無線「Bluetooth」対応の通信機能を内蔵し、手を動かした時に生じる端末の振動を無線でスマホに送り、動作をデータ化したり、アプリを通していろいろな効果音に変換する機能を持つ。

リリース時には子ども向けのスマートトイとして国内外で話題を呼んだが、今、高齢者向けのデバイスとしても注目を集めている。

アメリカで得た大きな手応え

高萩代表は京都大学法学部を卒業し、外資系コンサルティング会社A.T.カーニーとメルセデス・ベンツ日本を経て、外資系食品メーカーで商品企画を担当。2008年に独立した。

「メルセデス・ベンツにいた頃、自動車がどんどんソフトウェア化するのを目の当たりにしていました。その時から、ハードウェアが人の動きをセンシングするサービスに関心があったんです。また、家族のためにモノをつくりたいと思い、たどり着いたのが子ども向けのデバイスでした。テレビゲームやスマホに時間をとられがちな子どもが、画面の中で完結する世界から飛び出し、身体を動かすことの楽しさを感じるプロダクトが欲しいと考えたんです」

2013年、試行錯誤を経て完成したのがMoff Bandだ。リストバンドを装着すると、その動きに合わせて剣を振る音や電子銃の音がするスマートトイとして開発された。

海外では、多くのリストバンド型端末が生み出されているが、そのほとんどは心拍数などを測る活動量計。健康管理を目的としたものであり、子ども向けで、しかも玩具というターゲット設定は、Moff Bandの独自性を高めることになった。

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