旅行サイト、メディア戦略で成長 「独自のシナジー」を発揮

数多く存在している「旅行情報サイト」。その分野において、近年、利用者を伸ばしている企業がある。ベンチャーリパブリックは、「プラットフォーム」と「コンテンツ」の相乗効果で、競争力を高めている。

柴田 啓(ベンチャーリパブリック CEO)

90年代後半、米・ハーバード大学のビジネススクールでインターネットビジネスに出会った柴田啓CEOが、2001年に設立したのがベンチャーリパブリックだ。当初はEC関連のサービスも展開していたが、現在は旅行分野に集中している。

「旅行商品は情報で提供されるので、インターネットとの相性が抜群に良いんです」

ベンチャーリパブリックは、2001年から旅行商品の検索・比較サイト『トラベルjp』を運営。現在では約200社の旅行会社が提供する約100万件もの国内外ツアー、航空券を一括で検索できるサービスに育っている。さらに国内約3万軒、海外約120万軒のホテル、宿泊施設を横断検索できるサービスも提供している。

旅行分野でインターネットのサービスを手掛ける企業は数多い。そうした中で、『トラベルjp』は月間利用者が1300万人を超えるサービスに成長している。

原動力となっているのが、『トラベルjp』内にある観光ガイドのコンテンツ『トラベルjp<たびねす>』(以下、たびねす)だ。

「新しい旅」の提案、需要を喚起

『たびねす』は現地の観光情報に詳しいライターやブロガーなどの専門家(同社では「ナビゲーター」と呼ばれる)がお薦めのスポットを直接取材し、寄稿する旅行ガイドメディアだ。

『たびねす』は2012年9月にスタート。『トラベルjp』の年間利用者は、2012年時点と比べて倍以上に増えている。『たびねす』によって『トラベルjp』は競争力を高めているのだ。

「行き先が決まっている人にとって、検索・比較は便利なサービスですが、実際には『海に行きたい』『未知の世界を見てみたい』といった漠然とした思いから旅の計画が始まることはよくあります。旅先の魅力を発掘・発信するメディアを持つことで、どこに行ったら良いのかわからない人のニーズを掘り起こせます」

また、検索・比較では価格の安いところが注目されやすいため、高価格商品の魅力が伝わりにくい。『たびねす』を始めた背景には、そうした旅行会社側の課題もあった。

2012年当時、ベンチャーリパブリックにメディア運営の経験はなく、立ち上げは一からの挑戦だった。

「ナビゲーターの開拓も地道に進めていきました。ただ、社名に『リパブリック』と付けているように、当社は得意分野を持つプロフェッショナルの集合体です。旅行会社の出身者だったり、個人で旅行サイトを運営していた人もいて、観光情報に詳しい人材とのネットワークを広げていくことができました」

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