アメリカ人旅行者に響く プロモーションの視点

インバウンド事業に取り組む際、いかに旅前の顧客にリーチするかがポイントの一つだが、プロモーションに課題を抱える地域・企業は少なくない。今回は、今後世界的に増えていく個人旅行者(FIT)が中心であるアメリカ人を例に、外国人顧客を獲得するプロモーションの秘訣を伺った。

内野 伸子(M-Cross International Corporation Co.,Ltd代表取締役)

海外で作られた日本語のHPを見て、違和感を覚えたことはないだろうか。見たこともない日本語のフォントに、英語を無理やり日本語に訳した、不自然な文章。欲しい情報がどこにあるかよく分からず、写真も古臭いなど、「海外のHPは使えない」と感じ、HPを閉じてしまう。実はその逆の現象を、多くのアメリカ人観光客が体験している。「日本には、アメリカ人が本当に使える英語の情報がほとんどありません」とM-Cross International Corporation代表取締役の内野伸子氏は話す。

情報発信の基本は現地人との連携

プロモーションの基本的な考え方として、相手の立場に立ち、必要な情報を適切な形で提供しなければならないが、外国への情報発信になるとこの意識が弱くなりがちだ。アメリカ人の場合、ツアーではなく"旅行を自分で好きに組み立てたい"と考える方が多く、また観光の目的・タイプも様々だ。つまり、自分でインターネットを使って調べることが多く、HPを中心としたWEBでの情報発信の重要度が高い。しかしながら、英語のHPのほとんどが、アメリカ人視点ではなく日本人目線で作られたHPのため、そもそも必要とする情報が載っていないことや、日本人のデザイナーが作っていたりするため、 "アメリカ人が実際に使える情報"になっていないという。

また、「みなさん、英語のHPを作られて"これで大丈夫"と満足してしまうのですが、HPというものはそれではいけません。私はHPとはスポーツジムと同じものだと考えています。スポーツジムも入会すれば元気に健康になったと満足される方が多いですが、HPも"ただ作れば"お客様が来ると思っている方が多い。そうではなくて、HPも作った時点がスタート地点。その内容やどう活用するかで、結果がでるかが変わってくるのです」と、内野氏は運用・改善の大切さも説く。

ではどうすれば、アメリカ人観光客を呼び込む英語のHPを作ることができるのだろうか。その答えで最も重要なのは、HPのデザイナーにアメリカ人を起用することだという。

「私は"他にはお金を使わなくていいからデザイナーとフォトグラファーには名一杯お金をかけて下さい"と自分のお客様には伝えています。デザイナーは必ずアメリカ人を使って下さい。また、日本人とアメリカ人の興味は全く違います。アメリカにはトラベルライターがたくさんいるので、コンテンツもアメリカ人ライターを日本に招いて、サービスを見せたリ体験させたりして書いてもらうのが、一番良いです。そうすることで、旅行希望者が本当に興味を持つHPができると思います」

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