16年度から認証制度がスタート 「ヘルスツーリズム」とは何か

近年、新しい旅行の形態として注目を集めている「ヘルスツーリズム」。今年度からは政府主導の認証制度もスタート。自然・温泉・食材が豊かな地域にとって、ヘルスツーリズムは国内外から観光客を集めるための有効な手段だ。

日本各地で行われるヘルスツーリズム。ウォーキングやヨガ、メンタルヘルス対策など種類は様々だ

ヘルスツーリズムとは、健康の増進や回復に主眼を置いた旅行・観光のこと。地域固有の資源を活用して「観光」と「健康」を結び付けたプログラムが全国各地に登場してきた。

「そもそも旅行は健康との結びつきが強い」と話すのは、日本ヘルスツーリズム振興機構事務局長(JTBヘルスツーリズム研究所所長)の髙橋伸佳氏。

「ヘルスケア産業は“行動変容産業”とも言われています。旅に出れば誰もが規則正しく起き、しっかりと朝食をとり、観光地を巡って適度な運動をしますよね。旅行という非日常に身を置くことで、自己効力感が高まり、健康な生活への行動変容を起こすことが容易になります」

髙橋 伸佳 日本ヘルスツーリズム振興機構 事務局長

高齢者から若い女性、企業まで広がるヘルスツーリズム市場

ヘルスツーリズムの歴史は古く、欧米では古代ギリシャ時代から温泉や海などの自然資源を活用した治療・保養が行われてきた。日本では温泉湯治との関わりが深い。効能の認められた温泉では治療を目的とする湯治が行われ、江戸中期に一般庶民に普及した。

現代のヘルスツーリズムは、「科学的な根拠に基づいた健康増進・維持・回復・疾病予防につながる健康的な旅のプログラム」と定義されている。既に、欧米諸国などでは旅行・観光や、医療(リハビリテーション等)の一つのジャンルとして普及し産業として拡大傾向にあるという。

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