日本独自の技術を防災に活用 地域を守り豊かにする宇宙政策

防災や災害救援活動の際には正確な位置情報が必要だ。豪雨に伴う避難勧告などは市町村が情報発信を担うが、大規模災害時には国等からの災害情報に基づき、国・都道府県・市町村等が連携して対応にあたる。いずれにしても正確な情報が途切れない体制を構築することが重要である。この分野に、いま宇宙技術が使われようとしている。

準天頂衛星システム ©三菱電機

宇宙と防災 ――そう言われてもピンとこないかもしれない。宇宙は彼方天空の世界、防災は地上の比較的限られたエリアを対象にしているからだ。しかし、本年1月に策定された新宇宙基本計画では宇宙空間の国際的な力関係や安全保障等に配慮しながらも、民生分野における宇宙利用推進の必要性が強く謳われている。その具体的な施策の一つが国土強靭化であり、新産業創出を目的としたG空間情報の活用である。いずれも正確な位置情報の取得を前提とした施策であり、日本独自の準天頂衛星システム(QZSS)が技術的な基盤になっている。

「正確な位置情報を得るにはX軸Y軸Z軸および時刻という4つのパラメータが必要で、人工衛星4機の信号があれば可能です。QZSS初号機「みちびき」は2010年に打ち上げられており、今後は3機増やして2018年度より4機体制を実現します。さらに安定した高精度測位を実現するために、2023年度をめどに7機体制を確立したいと考えています」(内閣府宇宙戦略室 参事官 守山 宏道 氏)

国がこのプロジェクトに莫大な予算を投ずるにはワケがある。現状の位置情報は米国GPS衛星の民生用信号に頼っているが、GPS衛星は常に日本上空にあるわけではなく、山間部や高層ビルの陰など、情報がとりにくい場所があったため、得られる情報には限界があった。しかも、米国GPS衛星の民生用信号は有事の際に使用不可となる可能性があるため、今後ますます活用場面が広がっていくなか、日本が持続的に情報を得られる体制を敷く必要もあった。

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