自治体で備える火山防災
近年は地震と火山活動の関連が指摘され、火山に近い自治体は警戒を強めている。いざ噴火したとき、ライフラインや交通機関は維持できるのか。健康被害はあるのか。具体的な被害イメージから対策を立てることが、行政に求められている。
火山研究者の間では、東日本大震災以降、マグネチュード9級の地震が起きると、その後大規模な火山噴火が起こると言われている。インドネシアやチリ、アラスカで同様の事例があったためで、日本はこれまで以上に警戒しなければならない時期にある。
自治体でも火山防災の意識が高まっている。火山災害における健康被害に詳しい、国立保健医療科学院、健康危機管理研究部の上席主任研究官、石峯康浩氏は、最近の防災熱の高まりを次のように語る。「火山防災で、具体的な対策を立てようとする動きは強まっています。富士山噴火でも、山梨県、静岡県、神奈川県3県共同で、避難計画などを具体的につくり直しています。2014年10月には初の3県共同による広域避難訓練を行いました」
御嶽山噴火は不幸にも犠牲者が多く注目されたが、実は2014年8月にも鹿児島県の口永良部島で同様な噴火が起きていた。台風が来ており、火口近くに人が少なかったことで、被害者はなし。ここは10年ほど前から活動が活発化し、「そろそろ危ないのでは」と言われていた場所だ。このように予測が難しいからこそ、備えが必要になるといえる。
富士山噴火で東京はどうなる
火山防災は被害を想定することから始まる。同じ火山国であるニュージーランドでも、都市の近くで噴火が起きた場合、ライフラインにどのような影響があるか熱心に研究している。
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