安心、安全の燃えない街づくり
東京都では、「防災都市づくり推進計画」や「木密地域不燃化10年プロジェクト」により、木密地域の不燃化を進めている。一連の取り組みについて、担当者に話を聞いた。
東京都の木密地域は、山手線と環状7号線付近の区部周辺部に広く分布している。この地域は、都心部に比べて戦後の市街地整備が進まないなかで流入人口が増えた結果、敷地の細分化、建築物の高密化、農地の宅地化が進み、木密地域が形成された。こうした地域は、道路や公園などの都市基盤が不十分で、老朽化した木造家屋や狭小な敷地、未接道敷地(道路に接していない敷地)が多いため、建物倒壊や火災、それらが重なった総合的な災害が発生する危険度が高い。
木密地域の防火対策強化として不燃化プロジェクトを創設
都では、平成7年1月の阪神淡路大震災を機に、「防災都市づくり推進計画」(以下、「推進計画」)を策定し、「火災の拡散を防ぐ、道路と沿道の建築物による延焼遮断帯の形成」「建築物の共同化(不燃化)や生活道路や公園等の整備による安全な市街地の形成」「避難場所等の確保」に力を入れてきた。
とくに、地域危険度が高く、かつ老朽化した木造建築物が集積するなど、震災時に大きな被害が想定される地域を「整備地域」と定め、この地域を対象に、区が行う生活道路や公園の整備、建物の共同化などの取り組みに対し、財政的・技術的支援を行い、木密改善を進めてきた。(注:整備地域は、区部面積の約11%に当たる7000ha)
これに加え、平成23年には、東日本大震災の発生や首都直下地震の発生の切迫性を受け、木密改善の取り組みを加速させるための「木密地域不燃化10年プロジェクト」(以下、「10年プロジェクト」)を立ち上げた。
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