クラウドで道路防災が進化 タブレットで情報収集、観光にも活用
災害時に、消防など緊急車両の通行や救援物資の運搬などに使われる「道路」の情報は、防災において、重要な位置を占める。静岡市は、クラウド環境を利用し、タブレットを使用した情報の収集、即時発信を可能にするシステムを構築した。
―― 田辺市長は、就任直後から防災に力を入れてきました。
私は東日本大震災の直後、2011年4月10日の静岡市長選で当選しました。選挙期間中には、市民の皆さんから「安全・安心」を望む声が数多く聞かれました。私の使命は、どのように静岡市民を震災から守っていくか、にあると思っています。
以前から東海地方では巨大地震の発生が懸念されており、静岡市は積極的に災害対策を進めてきました。建物の耐震化はもちろん、行政だけでなく町内の自主防災組織率も高い。全国から地震対策に関する視察も数多くあります。いわば防災先進地域と言えると思います。それが東日本大震災を目の当たりにして、それまで培ってきた自信が木っ端微塵に打ち砕かれました。
特に津波対策は手薄になっていた部分で、整備しなくてはなりません。南海トラフ巨大地震の懸念も浮上し、3.11と同規模の災害が発生しても対応できるような高いレベルの防災が求められています。
情報のスピード、正確性を向上
―― 災害時には、どういったシステムが重要になると考えていますか。
災害時に必要となるのは、道路の被害状況の把握です。救援・救助活動は道路の状況に大きく左右されます。「犠牲者を最小限にする」、「必要な物資を迅速に届ける」、「復興をいち早く行う」。これら3つの復興の大原則を速やかに行うために、道路状況を的確に把握してオペレーションしていくことが重要になります。
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