生き抜く判断力を育む防災教育

多発する自然災害から身を守るためには、災害そのものや災害対策についての知識が欠かせない。防災意識や知識を高めるために、どのような防災教育が行われているのだろうか。

学校教育では、学齢に応じた防災教育が行われている。写真は、東京都教育委員会発行「地震と安全」

避難訓練だけでは不十分

災害対策では、国や自治体による公的な取り組みが重要なのはもちろんだが、大規模災害や突発的な災害では、公的な対策だけではできることに限界がある。実際、東日本大震災の際は、首長や職員が被災し、行政機関が機能不全に陥った自治体もあった。

こうした経験を踏まえ、最近は、住民自身の自助や地域コミュニティ、企業等の共助による災害対策が重視されるようになり、平成25 年には「災害対策基本法」が改正され、地域コミュニティレベルでの防災活動の計画である「地区防災計画制度」が創設され、翌26年4月から施行されている。

自助や共助による災害対策を進めるには、国民一人ひとりが災害に対して関心や知識を持つことが欠かせないが、現状は、十分ではないようだ。

内閣府が平成19年に行った「地震防災対策に関する特別世論調査」によれば、家具類の転倒防止対策を講じている人はわずか24.3%だった。また、一般財団法人経済広報センターが平成25年1月に実施した「災害への備えと対応に関するアンケート」調査でも、3人に2人が、「自然災害への備えが不十分」としているほか、「東日本大震災直後は防災意識が高まったが、最近は徐々に薄れている」という回答が半数近くを占めた。

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